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日本空間の誕生 の商品レビュー

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2021/02/12

日本において、空間や場所はどのように認識され、意味を持っていたか。歴史的に振り返って考察している。 阿部一さん初の著書。 縄文時代から弥生、古墳への移行で、神の場所が発見されたこと。シマのコスモロジー。 「風景」というものの誕生。 天・海「アマ・アメ」といった、地下と天の水の領...

日本において、空間や場所はどのように認識され、意味を持っていたか。歴史的に振り返って考察している。 阿部一さん初の著書。 縄文時代から弥生、古墳への移行で、神の場所が発見されたこと。シマのコスモロジー。 「風景」というものの誕生。 天・海「アマ・アメ」といった、地下と天の水の領域の他界から、山中他界感の成立。 など。 和歌や道教、さらに無の禅宗なんかも絡めて解説。以上などがさらりと連結しながら、日本の空間像を広げていく。 それから、日本のそれらの「見かた」に共通して見られる傾向としては、母性的なものが強いという見解で、最後にまとめあげている。 ————— 知らない歴史知識は出てくるけど、基本的にはとても読みやすい。章末ごとに「まとめ」があるおかげで、反復して内容を理解できるのもやさしい作りだと思った。  日本の原初の世界観に迫っているが、大陸からの文化によって起こった変化が、日本人のルーツに食い込んでいるのが大きいのはやはり無視できない。日本人の根っこにあるのは神道、とどこか単純に整理していた気がして、「おっと」と思った。神道ばかりなわけはない。 表紙写真撮影=著者 装丁=工藤強勝さん

Posted byブクログ