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神様も降りてこない森 の商品レビュー

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2017/03/25
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「僕の家には、いつも誰かしら他人がいた。  これは他人だとか、こっちは家族だとか、いちいちわけて考えることもしなくなるくらいに。  亜郎の家にも、部屋係の人や板前さんや、いろんな人たちがいるだろう。 「おやじがいておふくろがいてきょうだいがいて――家族だけしかいない家って、どんな感じなんだろうな」 「さあ……よくわかんない」 "「きみはなんでも自分ひとりで抱えこむタイプでしょう? 違いますか?」 ・・・・・・ 「どういうことですか?」 「そうですね…うれしいこととか、不満なこととか、腹がたつこととか、そんな大きな感情じゃなくても、おもしろいと思ったときには笑うとか……。  そう、もっと簡単なことがありました。  気分が悪いときにはそう言う。  殴られた時には痛いと言う。  君はたぶん言わないでしょう? 今だって、痛いとか苦しいとか、ひとことも言わない」 「それは……」  そうかもしれないけれど。  なぜ僕は言わないんだろうとか……もっと端的には、なぜ言う必要があるんだろうということ……それが僕にはさっぱりわからなかった」」

Posted byブクログ