風水 中国人のトポス の商品レビュー
中国人が「場」をどのように捉えていたかを探る13本の論文と対談1本。もともとは風水学(「術」ではない)の書き下ろしを企画していたそうだが、都合により旧稿を集めて一書としたとのこと。場や空間に関する考察だけでなく紀行文、書評とバラエティに富んでいるが、最終的には風水学へと収束する...
中国人が「場」をどのように捉えていたかを探る13本の論文と対談1本。もともとは風水学(「術」ではない)の書き下ろしを企画していたそうだが、都合により旧稿を集めて一書としたとのこと。場や空間に関する考察だけでなく紀行文、書評とバラエティに富んでいるが、最終的には風水学へと収束する見事な編集となっている。 「壺中の天」のような閉じた空間の別世界を指向する一方で、「天」「宇宙」のような時間と空間の限りのない世界も同時に指向し、更にそれらを同居させようと思案するさまが興味深い。また、風水の考え方が民衆に根付いていたという指摘も面白い。本書ではさらっとしか触れていなかったが、学問としての風水が普及していったというよりも、「場」についての生活の知恵のようなものがうまく風水と融合した、あるいは風水自体が生活の知恵が昇華したものである可能性を示唆するものである。そうであるならば、風水というのは特別なものとしてもてはやすのではなく、身近なものとして生活に取り入れることがあるべき姿なのかもしれない。
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中国の思想関連で今まで読んだ中で一番好きかもしれません。 中国の死生観や、壺中天に興味のある方は是非とも読んでください。 詳しくあちこちの作品に触れていますが、とても読みやすい文体でした。
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