世界を聴いた男 の商品レビュー
改めて小泉文夫さんの著書を読み直してみよう と 強く思いました 小泉さんその時々のお仕事を縦軸に据えて、 その時々の「仕事」にまつわるコメントが その膨大な著作から紹介され その時々の「仕事」でご一緒された方からの お言葉が紹介される 小泉さんゆかりの方に丁寧に取材され、 全...
改めて小泉文夫さんの著書を読み直してみよう と 強く思いました 小泉さんその時々のお仕事を縦軸に据えて、 その時々の「仕事」にまつわるコメントが その膨大な著作から紹介され その時々の「仕事」でご一緒された方からの お言葉が紹介される 小泉さんゆかりの方に丁寧に取材され、 全著作にも丁寧に目を通され、 なによりも 生前の小泉先生と一緒に実際にフィールドワークを されておられることが大きな説得力になっていますね
Posted by
人間にとって音楽とは何か・・・ 楽器を持って奏でるときの目に浮かぶ楽しそうな描写が胸を打つ --- 「音楽というのは、結局何かのためにあったり、何かを表現する手段であったりするものではなく、本来人間の存在そのものであり、『うたう』ということや『踊る』ということこそ『生きる』という...
人間にとって音楽とは何か・・・ 楽器を持って奏でるときの目に浮かぶ楽しそうな描写が胸を打つ --- 「音楽というのは、結局何かのためにあったり、何かを表現する手段であったりするものではなく、本来人間の存在そのものであり、『うたう』ということや『踊る』ということこそ『生きる』というのと同じ意味なのだと感じさせられた。」
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小泉という音楽評論家の生まれから、医学、哲学、美学、音楽と変遷を重ね、芸大教授になっていくその半生。そして、11歳上の美貌ソプラノとの結婚、世界の民謡音楽に興味を持ち、集めて歩くところが興味深いところです。イラン、ブルガリアの音楽の美しさを書いているところが印象的です。西洋音楽に慣れてしまっている現代人には予想もつかない、1/4階音などの不可思議な響きというものは確かに、このような収集活動からしか把握できないものかも知れません。バルトークやコダーイがハンガリー民謡を、ヤナーチェックがチェコ民謡を集めて、作曲の中に生かしたように、日本音楽の中に、日本民謡を生かすまでの小泉氏の活躍は大変面白い研究だっただろうと思いました。
Posted by
- 1