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マティス・ストーリーズ の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2015/04/15

図書館で。昔Possessionって本を洋書で買って挫折した記憶があるので翻訳本で短そうなお話から…と借りてみました。面白いというか身につまされるようなというかわかるようなわからないようなお話でした。美容室での話と、家政婦さんとの確執と、マティス研究員と学生のセクハラ疑惑の3編。...

図書館で。昔Possessionって本を洋書で買って挫折した記憶があるので翻訳本で短そうなお話から…と借りてみました。面白いというか身につまされるようなというかわかるようなわからないようなお話でした。美容室での話と、家政婦さんとの確執と、マティス研究員と学生のセクハラ疑惑の3編。 それにしても初老、というかまだ自分は若いつもりでも世間的にはそろそろ、という女性の悩みは万国共通なのだろうか、なんてぼんやり思いました。個人的に全く目が出なさそうな芸術家のダンナはどうしようもないと思いますがまあそんな彼を選ぶのも人生だし。最後の話はよくわからなかかったなあ。それほどマティスが好きなわけではないですが色使いや線は綺麗だなあと思います。

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2021/12/01

枚のマティスの絵画をモチーフにした三篇の小説集。 その美容院に入ったのは、マティスの<薔薇色のヌード>が窓越しに見えたから。 主人公のスザンナは、中年の言語学者。 その美容院に入るとハムレットに扮するバレエダンサーそっくりの美容師がスザンナの髪を触り始める。 この美容院の経営者...

枚のマティスの絵画をモチーフにした三篇の小説集。 その美容院に入ったのは、マティスの<薔薇色のヌード>が窓越しに見えたから。 主人公のスザンナは、中年の言語学者。 その美容院に入るとハムレットに扮するバレエダンサーそっくりの美容師がスザンナの髪を触り始める。 この美容院の経営者のルシアンだ。 ルシアンは、妻帯者だが、若い愛人がおり、その恋愛話をスザンナは来院するたびにきかされる。 数年間続いたこの美容師との人間関係が、唐突に崩壊するのは、美容院が店内改装し、マティスの絵も取り外され、イメージを一新してはじめての時だった。 いつも冷静な知的な中年女性がキレたらどうなるのか、、、 二作目は、「芸術作品」という小説。 売れない画家と子ども二人の家庭を懸命に働いて支える妻は、なんとか夫の個展を開かせてやりたいと手を尽くす。 頼りにしているのは家政婦で、もう何年も家事を手伝ってくれている。 その家政婦がびっくりするようなことをする。 三作目の「氷の部屋」は、ロンドンの中華料理屋で男女の中年の大学教授が落ち合い、料理を食べながらセクハラのことを話す。 次第にマティスを語りあうふたりだが、小説という形をとりつつ、ここで語られるマティス論は深い。 著者のA・S・バイアットは、1936年生まれ。 ロンドン大学で英米文学を教える学者でも有名だったが、『ポゼッション』でブッカー賞を授賞。 著作の『天使と蝶』は映画化もされている。 本書は、マティスの絵を女たちと結びつけ、中年の女性たちの心の深淵を描いている。

Posted byブクログ

2009/10/21

-ある日、彼女がその店に入ったのは、窓ごしに、《薔薇色のヌード》が見えたからだった- 作者は、現代のブロンテ姉妹とうたわれる3姉妹の長女。前半、中年女の日常の心の動きをジリジリと痺れるように描写した後、後半に、はっとさせれる展開。しかもタイトルで宣言した通り、「残酷」。カサヴェ...

-ある日、彼女がその店に入ったのは、窓ごしに、《薔薇色のヌード》が見えたからだった- 作者は、現代のブロンテ姉妹とうたわれる3姉妹の長女。前半、中年女の日常の心の動きをジリジリと痺れるように描写した後、後半に、はっとさせれる展開。しかもタイトルで宣言した通り、「残酷」。カサヴェテスの映画「オープニング・ナイト」を思い出した。マティスの絵画と同様マスターピース。

Posted byブクログ