さびしいときは心のかぜです の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
少しだけ抜粋します。 <悲しい気持ちの時、地面が心臓をひっぱるんや> <恐いならそばにいたる 寒いならそばにいたる いてほしいならそばにいたる> <朝からずうっとそばにいて そこで笑っとってみ> この本の詩は、原田さんが中学から高校に向かう年齢のときに書かれたものです。 その頃の原田さんは、いつも廊下の端を下をむいて歩いていて、誰ともなるべく目を合わさないようにしていたようです。ときどき口の中でぶつぶつ言っていることも、まわりにはよく聞き取れなかったり、何か尋ねられても、「俺、ようわからんわ」「知らんわ」。一生懸命答えようとするときでも、その答えはいつも尋ねたこととはちぐはぐで、例えば「今日は何日かなぁ」と聞くと「カレーライス 俺、好きや」とかえってきたりしたそうです。原稿用紙を渡すと、一日に10枚でも20枚でもすごい勢いで書いているけれど、字がとても読みにくくて、書かれた中身を周りの人が知ることはできませんでした。 ですが、当時のワープロを使うようになってはじめて、原田さんは、字というものは、他の人に気持ちを伝えることができるのだということがわかったようでした。それ以来、読める字を書くようになりました。原田さんのそんな言葉を本という形にして届けてくれる山元さんがいて、この本は出来あがりました。 心がかたくなったと感じるときに、おすすめの本です。
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