不滅の物語 の商品レビュー
最近、組織開発とか、心理学とか、論語とか、短歌とか、夏目漱石とか、あるいは、宇宙論とか、複雑系とか、そういう本ばかり(ばかりというほどジャンルが限定されてはないが)読んでいて、ちょっと飽きてきた。 ので、違う刺激を求めて、海外文学でも読んでみるかと思い、昔、好きだったアイザック...
最近、組織開発とか、心理学とか、論語とか、短歌とか、夏目漱石とか、あるいは、宇宙論とか、複雑系とか、そういう本ばかり(ばかりというほどジャンルが限定されてはないが)読んでいて、ちょっと飽きてきた。 ので、違う刺激を求めて、海外文学でも読んでみるかと思い、昔、好きだったアイザック・ディネーセンを読んでみる。 この本は、短編集「冬物語」「最後の物語」「運命奇譚」から7つの短編をピックアップしたもの。 帯に「切なく甘い愛の寓話:若き作家、老実業家、プリマドンナ、美しき貴婦人・・・。静謐な時間の流れに潜む狂気を描く7つの不思議な短編」とある。 こういうのって、・・・なことが多いけど、まさにそうとしか表現できないものがあるね〜。 とても残酷な物語を、やさしく愛おしく語る、で、結末を読者の想像に委ねて、絶妙の余韻を残すストーリーテラーとしての洗練された技を感じます。 もうちょっと、他のディネーセンものを読んでみるか。 ちなみに、この人は、デンマーク語と英語の2つで本を書いていて、デンマーク語のときの著者名は、本名のkaren Blixen、英語ではペンネームのIsak Dinesenとなっている。これが、日本語では、カレン・ブリクセン、カーレン・ブリクセン、アイザック・ディネーセン、イサク・ディネセン、イサク・ディーネセンなど、いろいろな表記があって、なかなか本を検索しにくくなっている。 最近まで、こんな本が出ていたのか〜、と知らなかったものがあったり、本によっては、2つの訳書があるものもある。 既に訳されているものの違う訳を出すより、まずは、全作品を翻訳してくれ〜、と思うのであった。
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40歳過ぎてからデビューしたデンマークの女性作家。ヨーロッパの主流文学の周縁に位置付けても読める。名門に生まれながら、アフリカに渡り、夫に梅毒をうつされ、夫が去ったあとも一人でアラフォーまでコーヒー農園を経営。また、デンマーク語で小説を書いても売れる見込みが少なかったから、英語で...
40歳過ぎてからデビューしたデンマークの女性作家。ヨーロッパの主流文学の周縁に位置付けても読める。名門に生まれながら、アフリカに渡り、夫に梅毒をうつされ、夫が去ったあとも一人でアラフォーまでコーヒー農園を経営。また、デンマーク語で小説を書いても売れる見込みが少なかったから、英語で書くという、二重言語作家。作家としてとても幸運な境遇、人生のコンテンツ。まさしく、ヘミングウェイなどよりもノーベル文学賞にふさわしい。でも、世の中は最大公約数の方を選ぶらしい。ミスター・クレイが支配するこの世界では。
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デンマークの作家さんです。「バベットの晩餐会」「アフリカの日々」の原作者です。 デンマークって寒いんだろうーな・・・だからこんなに過酷な状況を思いつくんだろうーな・・・アンデルセンも結構残酷なのあったしな・・・ 特に秀逸だったのは「満月の夜に」。ラストシーンがまあ鮮やか。レナートやアイテルのように潔くなれるか、自分。
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デンマークの女流作家の7つのゴシック・ストーリー。物語の全てのイメージが自分に静かに流れ込んでくる快感。この作家の作品をいつか全て読み尽くしたいです。
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