「日本株式会社」を創った男 の商品レビュー
福田和也の「地ひらく 石原莞爾と昭和の夢」の中で、何度も引用されている本だったので読んでみた。 宮崎正義は、石原莞爾が「先生」と呼んだ唯一のひと。国策会社満鉄の一調査員にして、日満財政経済研究会のヘッド。いわゆる「能吏」の最たるもの、といえそう。 歴史の教科書には決して登場し...
福田和也の「地ひらく 石原莞爾と昭和の夢」の中で、何度も引用されている本だったので読んでみた。 宮崎正義は、石原莞爾が「先生」と呼んだ唯一のひと。国策会社満鉄の一調査員にして、日満財政経済研究会のヘッド。いわゆる「能吏」の最たるもの、といえそう。 歴史の教科書には決して登場しないが、世の中に脈々と受け継がれていくものを創ったひと、というのがどこかにはいるのだなあ、と市井のひととしては励みになるのと同時に、こいうひとを踏み台にしてのし上がっていくひともいて、とにかく地球は回っていくのだなと思った。 P245 宮崎は、日本の今日までつづく官僚統制の経済システム、つまり「日本株式会社」の創設者ではあったが完成者ではなかった。完成者は岸であり、彼に代表される革新官僚たちであった。しかし、彼等にアイデアを提供し、その枠組みを完成させた人物は、宮崎正義にほかならなかったのである。
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