体罰の研究 の商品レビュー
烏兎の庭 第五部 書評 1.24.15 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/taiken.html 本書の発行は1995年。網羅的、体系的、歴史的、さらに法律の面から体罰を批判する総合的な研究。これほどまとまった研究...
烏兎の庭 第五部 書評 1.24.15 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/taiken.html 本書の発行は1995年。網羅的、体系的、歴史的、さらに法律の面から体罰を批判する総合的な研究。これほどまとまった研究が発表されていながら、いまだに体罰、それも明らかに指導を逸脱した、学校外ならば「暴行」とみなされる教員の暴力は根絶していない。 20年後の2015年でも東京都だけで897人の教員が体罰を行ったと報告されている。 体罰がなくならない理由については、本書でも議論されているが、結局のところ、当事者、すなわち教員と教育行政側に<本気でなくす>意志がないことが最大の理由に思えてならない。 また、暴力教員の典型を次のように提示している。 「一般に短期で自分の感情をコントロールできず、口より早く手がでるタイプ。そして重要なことは、まじめで勤務熱心であるが、人権意識、価値観の多元性に対する配慮など近代的教師の素養が欠けている、ということがいえよう。まじめで勤務熱心は何ら体罰を正当化する理由にはならない。むしろ人権意識の低いまじめさと勤務熱心が恐ろしいのである。」
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