華厳経 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
善財童子の巡礼冒険物語「入法界品」をベースに韓国人の高銀が書いた仏教小説。禅僧から環俗し、韓国の民主化運動に参加した活動家でもある高銀が晩年なぜ華厳を題材に選んだのか興味深い。彼はこの小説を書き上げるのに22年もかかったそうだ。鈴木大拙は「入法界品」の英訳を最後の仕事とする願いが果たせなかったという。それほど大きく険しい山なのか。 旅立ちにあたり「善財童子の全体的なイメージをつかもう」という気持ちで一気に読んでみた。美しすぎて、面白すぎる。 学んだ内容は、あとでまとめるとして、どうして旅の最初が華厳なのか、その理由を書いておく。 ◆なぜ華厳なのか? 自分を起点にまわりを巻き込むとんでもない事件が起こった。その中で、「自分が、この世で、この地上で、成し遂げること」を激しく問い詰められた。お前はなんでこの世に生きているのか、お前の存在意義はなにか。 いままでうまく答えられたこの問いに、答えることができなかった。ショックで、ぼくは幼い子どもになってしまった。それから、木や虫たち、鳥、動物、机、ペン・・・まわりのあらゆるものと話した。子どものときにそうしたように。そして彼らから教わった、善財童子に学べと。 幼い子どもになったぼくは、すなおな気持ちで、自分を振り返ってみる。すると、今まで気づかなかったことが見えてきた。 ぼくが目指さなければならないのは、「(みんなで)わかること」ではなく、「(みんなで)できること=叶えること」なのではないか。 そのとき、庭の石がささやいた。「華厳の"理事無礙法界"や"事々無礙法界"にヒントがあるかもよ」 そして、ぼくは旅立った。
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