ニュー・ミステリ の商品レビュー
パトリシア・ハイスミス「かたつむり観察者」 これがすごい。食用かたつむりの観察に魅せられた証券会社に勤める主人公。飼い始めて2カ月で書斎にガラス瓶30個ほどが並ぶ。触手を動かす生殖行動に魅入られ、小さな粒粒から渦巻が見えるのに心躍り、やがて孵化したかわいい子どもたち。その高揚感...
パトリシア・ハイスミス「かたつむり観察者」 これがすごい。食用かたつむりの観察に魅せられた証券会社に勤める主人公。飼い始めて2カ月で書斎にガラス瓶30個ほどが並ぶ。触手を動かす生殖行動に魅入られ、小さな粒粒から渦巻が見えるのに心躍り、やがて孵化したかわいい子どもたち。その高揚感から仕事もはかどる。忙しかった仕事に区切りがつき2週間ぶりで書斎を開けると・・・ これが天井から床から四方がかたつむりだらけになっていた。そこに踏み入れた主人公。この場面を想像するともう何とも言えない。 P.D.ジェイムズ「策略と欲望」 長編があるのでそのメモ的なものか。最終バスに乗り遅れた女子生徒。おりしも若い女性を襲う連続殺人事件が起きていた。・・予想通り事件はふりかかる。 スー・グラフトン「パーカー・ショットガン」 女性私立探偵キンジー・ミルホーン。ヴィンテージものの銃めぐって、推理。 サラ・パレツキー「ディーラーの選択」 フィリップ・マーロウという名の探偵を登場させ・・こういう手法が何かあるのか。 アンジェラ・カーター「狼人間」 北国、深い森のある国のおとぎ話か。お祖母さんの所へ使いに行く少女。森に入ると狼に襲われる。とっさに前足を切り落とし、その足を持っててお祖母さんの家にたどり着く。するとお祖母さんは熱にうかされ、切り落とされた狼の右手が転がり落ちるがそれは・・ ナディン・ゴーティマ「銃が暴発する寸前」 南アフリカの農園。白人の農園主が野生動物狩りに使用人の黒人青年を連れて出かけたが、銃が暴発して青年は死ぬ。南アフリカゆえ、白人と黒人のとるに足らぬ事件として認識される。・・・が実は青年は。 ジェイムズ・エルロイ「ぼろい仕事」Gravy Train ”韓国人街にあるトヨタの販売店で整備員の監督をすることになった。経営は日本人。客は黄色い肌の連中”の仕事だ。”はい、イエロー・エンパイア・インポーツのクラインです” これは保護司から紹介された仕事なのだ。 すると弁護士から電話。裏世界で財を成した闇の帝王の遺産を受け継いだ犬の世話の話がある。ビバリー・ヒルズに出向いてそのブルテリアのバスコーに仕えることに。でなんやかやあり、女とその犬を手に入れた。 エルロイのアジア人観どおりの表現なのか? 1995.10.31初版発行 図書館
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