試験と競争の学校史 の商品レビュー
日本の教育を「試験」「競争」という視点から見た学校教育史です。明治期の小学校・中学校での試験のようすには,ビックリします。年に2回の進級テストのようなものがあり,それに合格しないと次の級にはいけない。そして,落第した子たちは,学校を後にしていく。 「家に不学の人なからしめんこ...
日本の教育を「試験」「競争」という視点から見た学校教育史です。明治期の小学校・中学校での試験のようすには,ビックリします。年に2回の進級テストのようなものがあり,それに合格しないと次の級にはいけない。そして,落第した子たちは,学校を後にしていく。 「家に不学の人なからしめんことを期す」ことを目的として始めた学制が,結果として,中退者を作りだしていたことに驚きました。 試験や競争という外的なもので動機づけるのではなく,やはり,教育内容そのもので興味づける授業が大切だと,改めて思った次第です。 それにしても,昨今の,学力向上のめぐる,学校の状況はどうでしょうか。 学校からの逃走は,そんなに感じないけれども,学びからの逃走(佐藤学)は,確実に広がっているような気がします。 「県平均よりも○点上を目指す」というような目標を立てて子どもたちを試験付けにする現状も,正常とは言えませんね。 現場を指導する立場の人たちにこそ,本書を読んでもらいたいです。
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