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恋忘れ草 の商品レビュー

3.6

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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2014/03/05

時代小説で、 女絵師の切ない恋を書いている短編 二人暮らしだった父親を亡くした 主人公の気持ちが痛かった

Posted byブクログ

2012/12/27

江戸時代のキャリアウーマン達の仕事と恋を描いているのが何だか新鮮。男性社会の中で強くそして儚く生きる女性たちの姿が良いね。

Posted byブクログ

2012/01/26

3.5なのだが、この・5があるとないでは大分違う。そこを改善して欲しいものだ(愚痴)。 さてこの「恋忘れ草」だが、文庫本のあらすじにも書いてある通り、江戸時代のキャリアウーマンたちの心模様を描いた恋物語だ。現代こそ働く女性は一般化してきており(データ面で見るとまだ差があるが)、江...

3.5なのだが、この・5があるとないでは大分違う。そこを改善して欲しいものだ(愚痴)。 さてこの「恋忘れ草」だが、文庫本のあらすじにも書いてある通り、江戸時代のキャリアウーマンたちの心模様を描いた恋物語だ。現代こそ働く女性は一般化してきており(データ面で見るとまだ差があるが)、江戸時代ではレアな存在だったのは想像に難くない。だが彼女たちの悩みと現代の働く女性の悩みは以外にも共通するのである。そんな心模様に共感させられドキリとする場面もあった。「仕事を取るか、家庭を取るか」「仕事か結婚か」。永久のテーマにならない事をこれからの平等社会の発展とともに願うのである。 さて全体の感想は上記のとおりだ。ここからは閑話。 この作品に出てくる男たちのダメっぷりがもうなんかどうしようもない。ダメな男ばかり出すこともなかったんじゃないか、と思ったがそれとも江戸時代の庶民ってあんな人たちばかりなのか。浮気するわ暴力振るうわ金を使い込むわ…。引き立て役なのだろうが、そこが少し気になった。 そしてこのキャリアウーマンの言葉に引っかかってしまうのはどうしてだろう。遊び心とおしゃれ心で北原氏が言ったのだろうが、キャリアウーマンってイメージじゃないんだよな。昔の社会に「キャリアウーマン」の概念がなかったからそりゃ浮いてしまうのだろうが、それ以前にもっとこう「大きな社会の中で男に囲まれながらてきぱき働き、上を目指す女性」というなんていうか男社会で戦う女、のイメージなのだが。まずそこを考えると、まあ江戸は男社会だろう。だが時代背景から越後屋でも何でも規模・従業員の数が「キャリアウーマン」の抱えるものとは比べ物にならない。もっとこう気の利いた言葉がないものか、と頭を悩ませているのである。

Posted byブクログ

2011/11/03

北原亞以子さんの時代小説短編集。江戸のキャリアウーマンを描いたとのことですが、仕事色というよりは、大人の女性のほのかな恋物語かな。時代小説なので所々読みの分からない単語が出てきます。

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2011/09/21

「深川澪通り木戸番小屋」が良かったので、直木賞を受賞した本作を選んだが正解。作者曰く「江戸時代のキャリアウーマンを書いた」とのことだが、キャリアウーマンという言葉が持つ強さより、強さの裏側にある「はかなさ」を感じるのは時代設定のせいか。村野守美による本作のコミック本もオススメ。 ...

「深川澪通り木戸番小屋」が良かったので、直木賞を受賞した本作を選んだが正解。作者曰く「江戸時代のキャリアウーマンを書いた」とのことだが、キャリアウーマンという言葉が持つ強さより、強さの裏側にある「はかなさ」を感じるのは時代設定のせいか。村野守美による本作のコミック本もオススメ。 内容(「BOOK」データベースより) 新進気鋭の女流絵師・歌川芳花ことおいちは、出世作『竹林七美人図』で彫師をつとめた才次郎と恋におちる。一途に才次郎を求めるおいちだが、才次郎には女房と子供が待つ家があった…。表題作ほか、江戸の町で恋と仕事に生きた“キャリアウーマン”たちの哀歓を描いて直木賞に輝いた珠玉の連作集。

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2011/06/22

直木賞受賞作。 江戸時代に、仕事を持って生きた女性達の恋を描きます。 しなやかな文章で、日本情緒たっぷり。 苦労しつつも生きの良い女性達に、好感度高いです。 手跡指南という稽古場を開いている萩乃。 亡き父・山中帯刀が開いた稽古場です。 父は敵と狙っていた相手に巡り会った所、病重...

直木賞受賞作。 江戸時代に、仕事を持って生きた女性達の恋を描きます。 しなやかな文章で、日本情緒たっぷり。 苦労しつつも生きの良い女性達に、好感度高いです。 手跡指南という稽古場を開いている萩乃。 亡き父・山中帯刀が開いた稽古場です。 父は敵と狙っていた相手に巡り会った所、病重き身なのを見かねて、治ったら試合するという建前で看病したが、まもなく相手はみまかったという。その話が評判となって生徒を集めていたのでした。 しかし、この話には裏が‥ 女の師匠もなくはない時代でしたが、評判は総じてあまりよくない。父亡き後はがたっと減ったのですが、実用的な算術を教える工夫で評判が良くなります。生徒のほとんどは読み書きを3年習うと、奉公に上がるのです。 岡っ引きに金を出すように言われたり、独り身の心細さもあるのですが、けなげに頑張っていきます。 萩乃の友達で、長谷川里香の名前で、地本問屋である鶴屋の筆耕をしている香奈江。 戯作者の書いた原稿を版下用に書き直すのです。 天保三年、鶴屋は「偽紫田舎源氏」であたりをとった所。 当時、物まねでないかどうか行事が判断して許可が出ないと開板は出来ないという制度がありました。 香奈江はかっては結婚していましたが、ややこしいいきさつがあって、結局別れています。 父が御徒士(おかち)という侍の身分を質屋に売り、質屋の息子を養子に迎え、その養子が香奈江を妻に望んだのだ。 別れた夫とは逆のような生き方をしている戯作者・井口東夷に出会う。 一部他と似ている作品を出せないことになりそうなので、書き直せばいいと進言したら、作者は取材の旅に出ていて間に合わないとわかり、思わず香奈江は自分で書き直してしまいますが… 娘浄瑠璃の竹本七之介は、本名をおえん。 捨て子でした。 養父母に言われるままに浄瑠璃を習い、最初はあてがわれた老人が旦那でしたが、淡路屋長右衛門への浮気が本気になる。 しかし、これは、浮気者。泣いたり怒ったりしているうちに、おえんの芸は艶が出る結果に。 自分も仕事の方が第一だから相手が一途でないのも無理はないと気づくのでした。 「恋知らず」は、簪屋の娘・お紺が父と兄を亡くして、商売の中心に。 上等な物だけを扱う店でしたが、お紺簪の名前で、安価な使いやすいタイプを売り出します。 手代らに任せっきりにも出来るのですが、自分が考えた意匠であたりをとりたいと頑張ります。 蝋燭の店の婿になった幼なじみの男の子と再会、くどかれますが、実は嫉妬されていた‥? 「恋忘れ草」は、女絵師の歌川芳花。 彫り師の才次郎と恋仲になりますが、別れたはずの女に子が出来ていて、才次郎はそちらと結婚。 なかなか思い切れずに、悩むことに。 歌花が名をあげた絵は「竹林七美人」、江戸で評判になっている女性を竹林の七賢に見立てた物。取り上げたのは、娘浄瑠璃の竹本小扇、竹本七之介、筆耕の長谷川里香、小間物問屋の女主人・三々お紺‥という。 こんなの、あったんですかね?

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2010/06/12

 江戸時代の働く女性たちを描いた短編集。手跡指南の師匠、筆耕、女浄瑠璃の役者、絵師、簪屋や料理屋の女主人……  仕事と恋のあいだで揺れる江戸の女性たちを描き出した短編集。  先日読んだ新撰組にまつわる短編を集めたアンソロジー、『新撰組興亡録』の中に入っていた北原さんの短編が、し...

 江戸時代の働く女性たちを描いた短編集。手跡指南の師匠、筆耕、女浄瑠璃の役者、絵師、簪屋や料理屋の女主人……  仕事と恋のあいだで揺れる江戸の女性たちを描き出した短編集。  先日読んだ新撰組にまつわる短編を集めたアンソロジー、『新撰組興亡録』の中に入っていた北原さんの短編が、しっとりと情があって印象的だったので、ふらりと衝動買い。普段はあまり時代物って読みつけないんですけど、描かれる女たちの生活に焦点が絞ってあったのもあって、読みやすかったです。  江戸のキャリアウーマンを描きたかった、とのこと。ときに恋に迷い、挫折に負けて仕事を投げ出そうとして、けれど職人としての誇りに立ち返る、そんな女性たちの姿。  女性にとっていまよりももっと、男たちの都合に振り回されるのが常だったであろう時代に生きて、それでも職人であろうとする女たちの姿が、それぞれに力づよいです。

Posted byブクログ