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窯変 源氏物語(1) の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

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悪い男としての光源氏…

悪い男としての光源氏の生涯を、彼の一人称で書いた異色作。田辺源氏やあさきゆめみしに慣れている方はこういう捉え方もあるのかとびっくりするでしょう。当時の社会の仕組みの中において、男がどうものを考えどう行動するかをじっくり追求しています。「男版」源氏物語です。

文庫OFF

今まで周辺の女性にス…

今まで周辺の女性にスポットが当てられた作品は多々ありますが、実際の光源氏の人となりはどうだったのか、が分かるものは意外と少なかったように思います。その点を、本書は見事に解消してくれました。

文庫OFF

2024/02/15

「美とは、この貴族社会をも揺るがす力にございます」ってグ伝の光源氏が言ってた! しかし13巻もあるのか。

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2021/11/04

窯変とはかまへん=大阪弁のOK、かまへんでーということと思っていたが、ようへんだった。 源氏物語なんて「好き好きしい色恋の道、閨の内での痴話物語」と思って興味なかったが、男の話を同じような興味なさで聞くような源氏がふと目覚め、試行錯誤、精神的に成長?する話。 さすが1200年降臨...

窯変とはかまへん=大阪弁のOK、かまへんでーということと思っていたが、ようへんだった。 源氏物語なんて「好き好きしい色恋の道、閨の内での痴話物語」と思って興味なかったが、男の話を同じような興味なさで聞くような源氏がふと目覚め、試行錯誤、精神的に成長?する話。 さすが1200年降臨するベストセラー、むちゃくちゃ面白い。暴れる強姦魔の話なんだけど。 原文はあらすじ程度の本当にあっさりした情報量なのに、橋本さんのピリっクスっとした肉付けで見事に彩色がよみがえる。 昔は紙が貴重だったからかシンプルな記述、今は考える余地を与えるまいとばかりに行間を埋めてきているなあと感じた。 桐壺…その昔、闇の中から光が生まれる 帚木…眠れる夜、つれづれなる夜 空蝉…そして、男と女の戦が始まる 夕顔…白い花よ、十代の夏の終わりに短くも咲け

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2021/03/28

橋本治氏は70年代の「桃尻娘」、80年代の「桃尻語訳枕草子」で話題になった。特に後者の作品が出たときには、ちょっとした日本古典ブームも起きたと思う。 そして90年代には「窯変源氏物語」が出た。 この作品が出た頃、新刊の1巻を購入して読もうとしたのだが、数ページを読んで挫折した記憶...

橋本治氏は70年代の「桃尻娘」、80年代の「桃尻語訳枕草子」で話題になった。特に後者の作品が出たときには、ちょっとした日本古典ブームも起きたと思う。 そして90年代には「窯変源氏物語」が出た。 この作品が出た頃、新刊の1巻を購入して読もうとしたのだが、数ページを読んで挫折した記憶がある。 今回はそのリベンジ。歳をとると(?)、昔挫折してしまった本に改めて挑戦したくなってしまう。 実は学生時代は古典が嫌いで、源氏物語も枕草子も徒然草もほとんど読まなかった。源氏物語といえば「あさきゆめみし」という大和和紀さんの漫画が有名だが、それも読まなかった。なので全くの初見でよむ橋本治版「源氏物語」。 他を読んでいないから、橋本版の特徴として知っているのは、光源氏の一人称として語られていること。確かに出だしから光源氏のモノローグがすごくて、これって本当に古典?という感じが強い。ちょっとそれに圧され気味。本当にこの勢いで最後まで読み続けられるのか?怖気付きそうな予感も感じつつ、今年1年かけて最後まで読んでいきたい。

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2021/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

余り好きなタイプの本では無かったですが、1000年以上前の人々の素直な気持ちを21世紀の現代に感じる事が出来た点は非常に価値のある本だと思いました☆…が、1巻で僕はもうお腹いっぱいかな^^;。  ※全14巻あるようです

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2020/06/21

現代の感覚に合うよう筋を補間してくれているのですらすらと読みやすいけど、くどくてちょっと説明過多と感じました。そこまで説明したら野暮というか。雅な王朝物語というより全体的に陰鬱なトーン。

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2019/06/06

友人から「源氏供養の、ここの場面間違ってない?!」と問われ、初心者ながら源氏好きを公言し、尚且つ橋本治先生は大好きなのになんと!源氏供養を読んでなかったと今更気が付く私・・・ 日々、友人にお勧めされた本やミーハー本に追われて最近源氏関連本読んでいなかったなあと反省しました。 源氏...

友人から「源氏供養の、ここの場面間違ってない?!」と問われ、初心者ながら源氏好きを公言し、尚且つ橋本治先生は大好きなのになんと!源氏供養を読んでなかったと今更気が付く私・・・ 日々、友人にお勧めされた本やミーハー本に追われて最近源氏関連本読んでいなかったなあと反省しました。 源氏供養を読むならその前に窯変再読せねば!と小さな一念発起、久々に全14巻窯変源氏に手を出すことを決意しました(大げさ・笑)。 久々に読んだ橋本源氏、やっぱり異質ですごいわ。 未だにこれを超える訳本は出てないと思っています。そもそも訳本という枠を超えている。 普通の源氏物語は、誰が訳していても光源氏が主役でありながら彼をめぐるまわりの女達にスポットをあてた物語に仕上がっていて、原文も、紫式部という女房の客観目線が主軸です。 そんな中本書は、一貫して光源氏の主観で物語が進みます。 何もかももってる光り輝く主人公ではなく、奪われたものに焦点を当て、それに対する不満や闇を抱え苦悩する、冷徹だけどまだ幼い光君が登場した時のインパクトは、何度も再読したはずなのにやっぱり衝撃的でした。 紫式部が描かなかった男目線の平安貴族の世界を再現し、ねちねち、くどくど、でも、これこそが当時の人間のありようだ!と私は信じています。。 1巻は桐壷~夕顔まで。 ゆっくり読んでいこうと思います。。

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2019/01/19

紫式部の源氏物語の筋は変えず、物語はすべて光源氏の一人称で語られるという、珍しいタイプの源氏物語です。この作品は、それだけで現代小説として成立しており、古文を忠実に訳した文章のような違和感がありません。源氏物語の現代語訳を読むのに挫折した人にもおすすめです。

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2019/01/12

橋本治 窯変 源氏物語 1/14 桐壺〜夕顔。 1巻における著者の源氏物語観 *愛=政治の別名。美=力→貴族社会を揺るがす力 *右大臣と左大臣の勢力争い→女との結婚=父の勢力引継 *左大臣の後見→第二皇子である源氏の出世 *源氏の孤独、女性たちの愛 読みやすいけど 14冊読め...

橋本治 窯変 源氏物語 1/14 桐壺〜夕顔。 1巻における著者の源氏物語観 *愛=政治の別名。美=力→貴族社会を揺るがす力 *右大臣と左大臣の勢力争い→女との結婚=父の勢力引継 *左大臣の後見→第二皇子である源氏の出世 *源氏の孤独、女性たちの愛 読みやすいけど 14冊読めるかは不安 桐壺→闇の中から光が生まれる *愛=政治の別名→女=政権欲の形 *第一皇子が継ぐ→権力の中心は 右大臣へ *源氏を春宮にしたい→源氏の後見が問題 *源氏は 左大臣家の婿になり 左大臣の後見を得た *藤壺の女御への恋〜背徳 帚木 *左大臣家の頭の中将と 右大臣家の四の姫の結婚=両家の勢力均衡を図るため *源氏の男としての目覚め→男の愚かさ 空蝉→男と女の戦いが始まる *葵の上=終生の拠り所となる真の妻 *空蝉=抜け殻→源氏を避けた女 夕顔→六条御息所 登場 *源氏が 死の穢れに触れる *源氏の初めての恋は 夕顔→夕顔の死 *源氏の孤独の歌=過ぎし日に 今日別れるも二方に行方も知らず秋は逝くかな

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