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我が月は緑(上) の商品レビュー

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2011/02/18

漱石の「坊っちゃん」が宇宙に飛び出していったかのような痛快SF活劇。連載開始時、著者実に77歳。文庫にして1000ページを超す大作である。 時は22世紀、頑固一徹な元軍人の祖父に反発して家を飛び出した「おれ」は、ふとしたきっかけで国際警察員としての訓練を受けることになり、極秘任...

漱石の「坊っちゃん」が宇宙に飛び出していったかのような痛快SF活劇。連載開始時、著者実に77歳。文庫にして1000ページを超す大作である。 時は22世紀、頑固一徹な元軍人の祖父に反発して家を飛び出した「おれ」は、ふとしたきっかけで国際警察員としての訓練を受けることになり、極秘任務を負って月面都市へと派遣される。 職業が職業だから「坊っちゃん」みたいに腹蔵なく振る舞うというわけにはいかないけれど、ちゃきちゃきした一人称の語り口が軽妙で気持ちよく読める。 「へ?」と拍子抜けすることがあると思ったら、「ええっ!」と叫びたくなるほど壮大な展開があったりで、そのスケール感がめちゃくちゃ楽しい。 欲を言えば、雑誌掲載時の挿絵を載せてほしかったかな。漫画っぽい感じなので好き嫌いが分かれそうだけど、前日談にあたる「光の塔」(文庫版)の表紙絵の人だから、そう違和感はないと思う。 「光の塔」のイオがちょっとだけ登場して、あの子はこういう大人になったのかあと妙にくすぐられてしまった。

Posted byブクログ