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源氏物語(下巻) の商品レビュー

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2011/03/11

著者の舟橋聖一(ふなはし せいいち)氏は1904年(明治37年)生まれで、東京帝国大学文学部国文科を卒業後に作家としてデビューし、明治大学の教授でもあった。また、日本文芸家協会理事長、芥川賞選考委員、文部省の国語審議委員としても活躍された。 しかしながら、この現代語訳『源氏物語...

著者の舟橋聖一(ふなはし せいいち)氏は1904年(明治37年)生まれで、東京帝国大学文学部国文科を卒業後に作家としてデビューし、明治大学の教授でもあった。また、日本文芸家協会理事長、芥川賞選考委員、文部省の国語審議委員としても活躍された。 しかしながら、この現代語訳『源氏物語』の執筆に取り掛かられた1970年(昭和45年)当時は、5年前から悪化していた眼病が理由で、口述筆記を余儀なくされていた。 病による衰えと口述筆記ということによるものか、作品にリズムが感じられる部分と、そうでない部分とが混在しているのと、誤訳をされている個所があるのが惜しい。ただ、作中で交わされる会話は簡潔で流れがよく、さすが舟橋作品と思わせる。 この作品は、途中で絶版になっているのだが、できればもう5年なり10年なり前に執筆に取り掛かられていたらと思う。そうすれば、もっと完成度の高い作品であったはずなのにと、読み終わって惜しい気持が残った。

Posted byブクログ