神風特攻第一号 の商品レビュー

幾瀬勝彬(著者)

　自分の命を犠牲にし…

[文庫ＯＦＦ]

　自分の命を犠牲にしても守りたかったのは　きっと国なんかじゃない。彼らは自分の大事な人の為に　飛んでいったんだ　誰よりも高く

神風特攻、特殊潜航艇…

[文庫ＯＦＦ]

神風特攻、特殊潜航艇回天などは捨て身の戦術であった。そこで名もなく散っていった人たちの思いとは。

2009/11/01

　公式に発表されている神風特攻第一号として名を知られている関大尉であるが、実は、彼より前に特攻第一号が居た―――？　筆者の仲間からの言葉を頼りに、その歴史を紐解いていく。
　歴史に翻弄され、若くして自らの命を賭して戦った人たちの足跡を辿る小説。
　特攻と言えば神風特攻が有名だが、回天・桜花・そしてあの戦艦大和も水上特攻兵器としてその任務についている。生と死の間で苦悩し、勝利の為に戦った彼らの痕跡を、筆者は丁寧に描いていると思う。悲しくもあるが、何処かユーモラスな表現が多いのは、筆者の性格なのかもしれない。
　特攻と言う難しい世界を、読みやすく分かりやすく書いた作品。

　連作短篇のような展開だが、個人的オススメは

　「われ不沈戦艦を発見す」
　「マサッカルの空を染めて」

　の二つ。
　帆足少尉の頭の良さと粘り強さと熱意。
　木野中尉の勇気と正義感と行動力。
　どれも素敵です。