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鳥の道 の商品レビュー

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2013/02/09

学生運動終焉期の青春を、信じられないほどの瑞々しい感性と筆致で描いた傑作。立松和平を読むのは3作目。「光の雨」にも衝撃を受けたが、この作品もまた素晴らしいものだった。あまり知られていない(たぶん)のがとても不思議だ。出版社は何をやっているのだ! 何がすごいと言って、とにかく新しい...

学生運動終焉期の青春を、信じられないほどの瑞々しい感性と筆致で描いた傑作。立松和平を読むのは3作目。「光の雨」にも衝撃を受けたが、この作品もまた素晴らしいものだった。あまり知られていない(たぶん)のがとても不思議だ。出版社は何をやっているのだ! 何がすごいと言って、とにかく新しい世界へ飛び出す青春期の、世界と自分との関係性への戸惑いや葛藤や高揚などの一過性の感性をこれほどまでに的確に表現した小説を僕は他に知らない。それはもしかしたら、多分に学生運動期への憧れがある者特有の受け止め方なのかもしれないけれど、この小説の言葉の瑞々しさは、たぶん誰にも否定できない。 今さらながら、もっともっと世に知られ、広く読まれてほしい1冊である。

Posted byブクログ