ポルノグラフィ の商品レビュー
キャサリン・マッキノンによるポルノグラフィに対する批判書。従来の思想の自由、表現の自由、言論の自由によって合法的に再生産されてきたポルノグラフィを、事実行為に基づく差別的言論であるとして告発するもの。
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”資料を使い権威をもって「ある人は劣等である」と言うことにより、地位構造と待遇の違いが作り出され現実化される。言葉とイメージにより、人びとが階級のどこに位置するかが示され、社会的階層は回避できない正当なものであることが示され、劣等感や優越感が生まれ、底辺の人に対してふるわれる暴力...
”資料を使い権威をもって「ある人は劣等である」と言うことにより、地位構造と待遇の違いが作り出され現実化される。言葉とイメージにより、人びとが階級のどこに位置するかが示され、社会的階層は回避できない正当なものであることが示され、劣等感や優越感が生まれ、底辺の人に対してふるわれる暴力についての無関心が合理化され正当化される。意味を作り出すことにより、人びとの内面に、また人びとのあいだに、社会的優越感がつくられていく。それを壊すには、このような意味とその表現手段を壊していかなければならない。”(p.50) まさしく、川原泉という人物が「子供向けの」マンガにゲイに対する差別語を平然と使用し”バイキン”とまで書いた──エイズという多くの人が亡くなり、そして現在でも、多くの人がその病気と闘っているのに、だ。人を苦しめ、そして人に他人を苦しめさせること。そのことを「常態化」させる──「常態」だと思わせる。。このことは絶対に問題化されなければならない。http://d.hatena.ne.jp/HODGE/20060730/p2 キャサリン・マッキノンの本を読んで、自分が何をすべきかを改めて教えてくれた。多くの示唆を与えてくれた。何かがあるたびに、この本のページをめくり、立ち止まって、考えていきたい。
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