読む技法・書く技法 の商品レビュー
源氏物語を中心に日本文学の研究をおこなってきた著者が、自身の研究方法を踏まえて、本の読みかたや文章の書きかたについて論じている本です。 本書で紹介されている方法は、キーワードを中心に読書メモをとりながら本を読み、それをもとに読書ノートをまとめて執筆活動につなげていくという、やや...
源氏物語を中心に日本文学の研究をおこなってきた著者が、自身の研究方法を踏まえて、本の読みかたや文章の書きかたについて論じている本です。 本書で紹介されている方法は、キーワードを中心に読書メモをとりながら本を読み、それをもとに読書ノートをまとめて執筆活動につなげていくという、やや素朴なものです。目を引くようなテクニックが提唱されているわけではありませんが、著者自身の研究のしかたを例に、文学研究の現場をうかがい知ることのできるという点で、個人的には興味深く読みました。 著者は、社会科学を学んだ友人から、「あなたの文章は、たくさん用例を挙げているけれども、何一つとして証明はしていないね」といわれたことがあると述べています。それに対して、文学の研究は社会科学とは異なり、「人間の心」という永遠に未知なるものを探究するものであり、具体例の力にもとづいて文章に説得力をあたえ、「仮説の提示」にはいたらなくとも、「仮説の後押し」をすることができると述べています。文学研究が、かならずしもこうした議論に終始しているわけではないと思いますが、著者の論じているような側面はまちがいなく存在しており、そのような議論を構築するための方法として、有益な内容だと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
・キーワード読み ・・数字 ・読書メモから読書ノートに転記 ・・読書メモ ページ、メモ B5縦半分に折って ・読書ノート ・・1項目1ページ ・・大学ノートの裏表紙に項目名一覧
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