コンスタンチノープル遠征記 の商品レビュー

ロベール・ドクラリ(著者),伊藤敏樹(訳者)

2012/07/29

第四回十字軍の様子を、実際に参加したロベールが語ったものです。彼自身が「お偉方」ではないだけに、理想的な話ばかりでなく、略奪品の分配でもめたことなどにもふれられています。

2009/10/07

9月1日読了。13世紀ごろ第4回十字軍に参加してコンスタンチノープルを訪れたフランスの騎士の手記（口述筆記だったようだが）に、解説を加えた本。トルコから帰ったばかりの身からすると、絢爛豪華な昔日のイスタンブールの姿や著者の驚きがリアルに感じられ、とても面白く読めた。歴史を俯瞰した書物もいいけれど、興奮度という点では歴史の只中にもまれた人物が書いた記録に如くものはないのかもしれないな。まあ著者にもよるのだろうが。しかし当時の東ローマ帝国、天寿を全うした皇帝などおらず、常に肉親や側近に命を狙われ、王位は簒奪したりされたり、ガッタガタだったんだなー。