死は誰も忘れない の商品レビュー

ディディエデナンクス(著者),高橋啓(訳者)

2021/11/23

ミステリのようでミステリではない社会派ミステリ作家ディディエ・デナンクスの暗黒小説。いつも独りぼっちだったリュシアンは同級生に「人殺しの子」と罵られた夜に、寄宿舎から姿を消し池のほとりで書置きを残して死んでいた。ー父さんは人殺しではない。第二次大戦下のレジスタンス活動を調べるマルクは、英雄ジャンリクアールから驚くべき話を聞く。ジャンの過酷な運命の裏にはリュシアンの悲劇につながる、ある裏切りに辿り着く。過去の事件から蠢く人間関係やおぞましい過去が暴かれていく社会派感！フランス推理小説大賞を取った「記憶のための殺人」と並ぶ傑作。