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援助という外交戦略 の商品レビュー

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2011/04/18

大学にいた頃、国際政治学の講義で参考書の一冊に挙げられた。 タイトルの通り、人道的側面から見られがちな援助を外交的・戦略的な側面から捉え直した本。 冷戦期におけるアスワン・ハイ・ダムを巡った東西援助競争や、援助を通じた米ソの発展モデル(資本主義モデル、社会主義モデル)の輸出、中国...

大学にいた頃、国際政治学の講義で参考書の一冊に挙げられた。 タイトルの通り、人道的側面から見られがちな援助を外交的・戦略的な側面から捉え直した本。 冷戦期におけるアスワン・ハイ・ダムを巡った東西援助競争や、援助を通じた米ソの発展モデル(資本主義モデル、社会主義モデル)の輸出、中国のタンザン鉄道の建設など大国の援助外交を紹介している。 また、援助の在り方の一つとしてNGOの活動にも注目し、ODAの問題点を挙げて、双方の実態を比較している。 ミニ国家を舞台にした捕鯨を巡る日本の援助外交が面白かった。一九九五年の時点では独立国家一八九ヵ国のうち四二ヵ国が人口一〇〇万人に満たない「ミニ国家」だったという。それらの「ミニ国家」の内、南太平洋に点在する島国に対して日本は積極的に援助を行なった。島嶼国の意向が捕鯨禁止案の討議に大きな影響を与えるからだった。大国に比べ普段注目されることがない「弱小国」の持つ影響力の大きさに興味が湧いた。

Posted byブクログ