社会システム理論(下) の商品レビュー
ルーマンの「主著」下巻ではさらに、さまざまな概念を追加しつつ、複雑で深い思考が進められる。 下巻の中では「矛盾・コンフリクト」の項目がとても興味深かった。 読み終えてみて、「ゼマンティーク」など、解明しきれない概念が残ったのが残念だった。「ゼマンティーク」はふつう「意味論」と訳さ...
ルーマンの「主著」下巻ではさらに、さまざまな概念を追加しつつ、複雑で深い思考が進められる。 下巻の中では「矛盾・コンフリクト」の項目がとても興味深かった。 読み終えてみて、「ゼマンティーク」など、解明しきれない概念が残ったのが残念だった。「ゼマンティーク」はふつう「意味論」と訳されるそうだが、ルーマンのこの語の使用法を見ると明らかに違う。どちらかというと体系としての「ラング」に近いのだろうか。「意味システム」? しかしそれならルーマンはそのまま「意味システム」と書くはずだ。 そのほかにも、彼のシステム理論は複雑すぎて、一読ではとうてい把握しきれない感が強い。 ルーマンの他の著書や、ルーマンに関する研究・解説書を読んでみてから、いずれこの高価な本を再読してみたいと思う。
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[ 内容 ] <上> 社会学の世界にあってパーソンズ亡き後一般的な総合理論は構築されていない。 科学技術の進歩による人間社会の変化が顕著な昨今、一書をもって社会を説明するのは難業である。 豊饒多産なルーマンはあえて挑み現代社会学の理論成果として本書により金字塔を打ち建てた。 <下> 社会学の世界にあってパーソンズ亡き後一般的な総合理論は構築されていない。 科学技術の進歩による人間社会の変化が顕著な昨今、一書をもって社会を説明するのは難業である。 豊饒多産なルーマンはあえて挑み現代社会学の理論成果として本書により金字塔を打ち建てた。 [ 目次 ] <上> 序章 システム理論におけるパラダイム転換 第1章 システムと機能 第2章 意味 第3章 ダブル・コンティンジェンシー 第4章 コミュニケーションと行為 第5章 システムと環境 第6章 相互浸透 <下> 心理システムの個体性 構造と時間 矛盾とコンフリクト 社会と相互作用 自己準拠と合理性 認識論にとっての諸帰結 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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研究書としては当然相当なもので、体系的なのだが、たまにギャグらしい文が織り込まれていることに果たしてどれだけの人が気づいているだろう...後、マニアックな引用が多い。絶対手にはいらなそうなラテン語の本とか引用してくるし。
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