形態と構造 の商品レビュー
ジーマンや野口さんのカタストロフの社会への応用に特に興味があり、かねてより自分が興味を持っていた結び目理論と繋がったので非常に実りの多い読書であった。
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前半は、日本人数学者と経済学者がカタストロフィー理論に関して対談し、記述した初等的な内容である。ちなみに、経済学は、この理論の主要な応用分野の一つ。面白いのは後半で、R.トムとE.C.ジーマンの論争(論文)の翻訳が掲載されている。前著のその後を、渦中にいた当事者達が語っているわけ...
前半は、日本人数学者と経済学者がカタストロフィー理論に関して対談し、記述した初等的な内容である。ちなみに、経済学は、この理論の主要な応用分野の一つ。面白いのは後半で、R.トムとE.C.ジーマンの論争(論文)の翻訳が掲載されている。前著のその後を、渦中にいた当事者達が語っているわけで、非常に面白く読めた。そこに書かれている様に、カタストロフィー理論が応用数学として結局あまり有効性を認められなかった理由は、定量的説明が難しい点にある。こういうモデルで説明出来るぞ、ああ、それはよかったね、で終わってしまうんだな。ちなみに、本の最後に、理論の簡潔なまとめがある。もっとも、それを読んでも、多分ほとんどカタストロフィー理論は理解出来ない。結果(主)定理は簡単なのに、その内容を把握するのが難しい。これも普及を妨げた大きな原因と言えるだろう。
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数学の例を示しながら、形態と構造について説明している。 カタストロフ理論という破局の理論のようである。 何が破綻するかというと、線形的な空間把握が破綻するのだろうか。 ブームになったが応用例が少ないと佐和が述べている。 破綻が一般的になるのは嬉しくないので、応用例が少ないことが理論の価値の低いことにはならないと思う。 困ったときに拠り所にするとよい理論かもしれない。
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