ゴーギャン の商品レビュー
ポール・ゴーギャンの生涯と芸術をわかりやすく解説している評伝です。 どことなくバルザックとイメージが重なってしまう、陽性の生活破綻者ともいうべきゴーギャンの生涯を、比較的客観的にたどっているのですが、それでもどことなくおかしさを感じてしまうのは、この偉大な画家の破天荒な人物像の...
ポール・ゴーギャンの生涯と芸術をわかりやすく解説している評伝です。 どことなくバルザックとイメージが重なってしまう、陽性の生活破綻者ともいうべきゴーギャンの生涯を、比較的客観的にたどっているのですが、それでもどことなくおかしさを感じてしまうのは、この偉大な画家の破天荒な人物像のなせるわざなのでしょう。とくに妻メットとの長年にわたる摩擦は、おたがいがたいへんに神経を消耗させるような関係だったことは理解できるものの、どうしてもユーモラスな雰囲気がつきまとってしまうような気がします。 ゴーギャンとゴッホの共同生活に関しては、それほど立ち入った説明はなされておらず、その点が個人的にはすこし不満でしたが、ゴーギャンのタヒチへの傾倒がどのような動機にもとづいていたのか、あるいはそこにどのような問題が含まれているのかといったことについても、多少著者自身の見解をまじえつつ説明されており、興味深く読むことができました。
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