仏教の中国伝来 の商品レビュー
著者はオランダ人であり、欧米の読者に対してこの本を執筆しています。日本人による日本人のための仏教参考書とは違うというのが本書の大きな特徴です。 この本を読めば私たち日本の読者にとって新鮮な発見があります。 異邦人だからこその一歩引いた目線で仏教を見ることができるのも本書の魅力...
著者はオランダ人であり、欧米の読者に対してこの本を執筆しています。日本人による日本人のための仏教参考書とは違うというのが本書の大きな特徴です。 この本を読めば私たち日本の読者にとって新鮮な発見があります。 異邦人だからこその一歩引いた目線で仏教を見ることができるのも本書の魅力です。 ただ、本書は入門書としてはかなり厳しいこともお伝えしなければなりません。 実は私はこの本に一度挫折しています。 中国仏教を学び始めの頃にこの本を手に取ったのですがとてもじゃありませんが太刀打ちできませんでした。人物名や地名などの固有名詞が多く、しかも私自身当時は中国の時代や都市の位置もわかっていなかったのでこの本があまりに難しく感じたのです。 ですがそこから時を経て、中国史の本を改めて読み直し、時代背景や位置関係なども把握した上で再チャレンジするとこれが面白いのなんの!やはり時代背景や地理を学ぶことは大事ですね。一見遠回りなように思えますが、やはり歴史を学ぶということが結局一番の近道であることを実感しました。 塚本善隆『世界の歴史4 唐とインド』や川勝義雄『魏晋南北朝』、平田陽一郎『隋ー「流星王朝」の光芒』など中国の歴史を学んだ上でこの本を読むとものすごくわかりやすくなると思います。 ぜひこれらの本とセットで読まれることをおすすめします。
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