天皇ごっこ の商品レビュー
映画「天皇ごっこ」の資料として読みました。 作者の見沢知廉は、この小説を発表当時は、スパイ粛清事件に絡む殺人で12年間の服役中。粛清=右、内ゲバ=左、という図式から言っても、実は彼は新右翼の活動家だったんですね・・。 とはいえ、この危ない!タイトルから、当の右翼陣営でさえ、す...
映画「天皇ごっこ」の資料として読みました。 作者の見沢知廉は、この小説を発表当時は、スパイ粛清事件に絡む殺人で12年間の服役中。粛清=右、内ゲバ=左、という図式から言っても、実は彼は新右翼の活動家だったんですね・・。 とはいえ、この危ない!タイトルから、当の右翼陣営でさえ、すわ、反天皇小説か、と色めきたったという話が残る「天皇ごっこ」。読んでみれば、日本人が複雑に心の中に折りたたんでいる天皇への思いが色々な形で綴られる、非常~~に面白い天皇論、なのでした。 囚人たちと看守の攻防は、一方が絶対的な権力を持つだけに凄惨なもので、怖がりの私としては、そこまでやるか???という驚きで悲しくもなったのだけど、なぜか、その中に、可笑しみというか、独特のエグさが味付けされていて、そのために、結構面白くも読み進めることができたました。 知廉という人は、中学時代に既成右翼、後、高校時代ににブント派の左翼、三里塚で何もできなかったという思いから今度は新右翼の一水会、と右と左を行ったりきたりして、そこらへんはノンポリ(古いぞ!)の私には理解し辛いのだけど、映画で、彼の友だちや思想界のお歴々たちが、愛着とリスペクトを持って亡き彼(出所後、ベストセラー作家になるものの、46歳で投身自殺)を語る様を見ていると、どんなにか、人を惹きつけてしまう不思議な魅力を持った人だったのだろう、ということがわかります。 天皇まんだら、とも呼ばれるほど、いろんな角度から天皇を語った本書です。 正直、映画の紹介文を書くという機会がなければ読まなかったものだと思うので、こんな出会いにもありがとう、と思っております。
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45/100 経験を元に語られているし、獄中で書いたというのもあって 小説としてまとまっているかという話はまた別。 やっぱり面白い。
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