採用できない証拠(上) の商品レビュー
前作が弁護士側の話だったのに対し、こちらは検察側の話。たねになる証拠や証人という材料から、検察がどんなふうに有罪を勝ち取るためのストーリーを組立て、それを組み合わせ、また必要な証拠をさらに増やして立証していくのかという道筋がリアルにじっくりと描かれている。その結果、「おはなし」と...
前作が弁護士側の話だったのに対し、こちらは検察側の話。たねになる証拠や証人という材料から、検察がどんなふうに有罪を勝ち取るためのストーリーを組立て、それを組み合わせ、また必要な証拠をさらに増やして立証していくのかという道筋がリアルにじっくりと描かれている。その結果、「おはなし」としては、展開の意外性にはかけることになるけれど、まあ実際面白いケースでも、こんなものだろう。 アメリカの司法は両者が同じルールで全力で戦うことで、公平な正義を実現するというような理想があることがだんだんわかってきた。ルール自体はかなり恣意的なんだけれど、でも検察と弁護側双方が同じルールで争えば、バランスもとれるだろうというロジック。ただしそれも弁護側が検察と戦えるくらいに十分とお金がかけられればの話で、賠償金の額の高さも考えると、司法業界が全体として、自分たちの権益のためにそれらを釣り上げているということも見えてくる。
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