史上最大の作戦 の商品レビュー
ノルマンディー上陸作戦を連合軍、ドイツ軍の生存者両名からインタビューしてまとめられた本。 映画などで何度も見たことがあるが、ここまで過酷で緻密な作戦であったのか、また、今のように無線技術などのリアルタイム通信が確立されていない時代における軍事作戦の難しさもよくわかる。
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第二次世界大戦のヨーロッパ西部戦線における転機となった、歴史上最大規模の上陸作戦…ということは知っていましたが、その詳細は知らなかったので、その内容に驚きました。 例えば、ドイツ軍は暗号(ヴェルレーヌの詩)を傍受していながら、それを机においたまま警報を発しなかったり、これまで不...
第二次世界大戦のヨーロッパ西部戦線における転機となった、歴史上最大規模の上陸作戦…ということは知っていましたが、その詳細は知らなかったので、その内容に驚きました。 例えば、ドイツ軍は暗号(ヴェルレーヌの詩)を傍受していながら、それを机においたまま警報を発しなかったり、これまで不休のロンメル元帥が、直前に休暇を取って遠く離れたベルリンに行っていたり。また、作戦決行日(Dデー)に誕生日を迎える、エーリッヒ・マルクス将軍を驚かすため、他の将校が持ち場を遠く離れてしまったこと。さらに、Dデー直前に航空機が2機のFW-190を残して、すべて遠方に配置換えされていたことなど、ドイツ軍にとっては完全に奇襲となっており、歴史は連合国側に味方していたのだなと思いました。 そんな偶然が重なっていたものの、5箇所の上陸ポイントのうち、オマハ・ピーチで行われた最も壮絶な戦いに、これが戦争なんだなという思いと、歴史という名の運命のイタズラに翻弄された兵士達の冥福を祈るばかりです。 もうすぐ、この戦いから80年を経ようとしていますが、相変わらず世界はまだ混沌としています。争いのない世界を願うばかりです。
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ドイツ軍・連合軍それぞれの将兵や現地住民の視点を積み重ねて、史上最大といわれた作戦を描き出しており、ページを捲るたび、進行してゆく壮大な歴史的事件と、そのなかでの人々の息遣いに圧倒される。 双方が、あらかじめ想定して準備した通りにはいかない混乱のなか、奮闘したり、絶望したりする人...
ドイツ軍・連合軍それぞれの将兵や現地住民の視点を積み重ねて、史上最大といわれた作戦を描き出しており、ページを捲るたび、進行してゆく壮大な歴史的事件と、そのなかでの人々の息遣いに圧倒される。 双方が、あらかじめ想定して準備した通りにはいかない混乱のなか、奮闘したり、絶望したりする人間に焦点が当てられているところが、ドラマチックで人々を惹きつけるのだろう。
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ノルマンディー上陸作戦に参加した様々な将兵を描く。関係者に聞き取りをしているとはいえ著者のまえがきには、人間の物語である、と書かれている。ロンメルの不在やドイツ軍の対応の遅れが読んでいてなぜか引き込まれた。
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1944年6月6日、人類史上かつてない大規模な上陸部隊が、ノルマンディ海岸を埋め尽くした。連合軍の全兵力を結集したヨーロッパ反攻作戦が、ついに開始されたのである。 要塞地帯を突破されて総崩れとなったドイツ側は、この日を境に、急速に敗北への道を歩んでいく。 第二次世界大戦がいかに...
1944年6月6日、人類史上かつてない大規模な上陸部隊が、ノルマンディ海岸を埋め尽くした。連合軍の全兵力を結集したヨーロッパ反攻作戦が、ついに開始されたのである。 要塞地帯を突破されて総崩れとなったドイツ側は、この日を境に、急速に敗北への道を歩んでいく。 第二次世界大戦がいかに薄氷の勝利だったかがわかりますね。 ターニングポイント毎にたった一人の判断が異なるだけで結果が変わったかもしれない。
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有名な戦争映画の原作である戦記。ノルマンディ上陸作戦・D-dayの詳細を指揮官・将校・兵士・民間人、両陣営のあらゆる人々のエピソードで綴られている。「これは戦史ではない、人間の物語である」、まさに前書きの通り。濃密で計算できない人間ドラマ。かなり昔に映画は観ているが改めて観賞し直...
有名な戦争映画の原作である戦記。ノルマンディ上陸作戦・D-dayの詳細を指揮官・将校・兵士・民間人、両陣営のあらゆる人々のエピソードで綴られている。「これは戦史ではない、人間の物語である」、まさに前書きの通り。濃密で計算できない人間ドラマ。かなり昔に映画は観ているが改めて観賞し直したい。
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訳:広瀬順弘、原書名:THE LONGEST DAY(Ryan,Cornelius) 待機◆その前夜◆その日
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様々な立場の人々の視点から描いてあり、作戦実行の前段階から当日にいたる、段々と静かに高揚していく当時の空気を感じれるよう。 ばらばらな場面の集まりが劇的な当日へと収束していく様子が際立っていて良かったが、 かえって、上陸後は情報が細切れになって、やや失速してしまったか。 塹壕内で...
様々な立場の人々の視点から描いてあり、作戦実行の前段階から当日にいたる、段々と静かに高揚していく当時の空気を感じれるよう。 ばらばらな場面の集まりが劇的な当日へと収束していく様子が際立っていて良かったが、 かえって、上陸後は情報が細切れになって、やや失速してしまったか。 塹壕内で士官に向かって降伏を主張する兵士たち。そんな場面は、日本のかつての軍では絶対にみられないだろう。追い詰められて、誰もが迷わずに自爆するはずだ。 連合軍は確かに正義で、合理的で、より人間らしいかもしれない。だが、圧倒的物量をもって進撃する様子と、食料も戦車もなく肉弾で戦っていた日本軍兵士たちとの対比をいやでも考えた。 確かにこの戦記は、とてもドラマチックだった。でも、ややドラマ仕立てにし過ぎている感もあった。 もちろん全体としては、楽しく読めた。
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昔、こんな題名の映画があったよなぐらいの感覚で購読。 敵味方の証言を集めた、国、物量、人が最大の上陸作戦のノンフィクション。 にしても、多国籍で史上最大の動員をした連合軍のリーダーであるアイゼンハワーの胆力には、驚きである。彼がビジネス本があったならば、リーダーシップ論の名著にな...
昔、こんな題名の映画があったよなぐらいの感覚で購読。 敵味方の証言を集めた、国、物量、人が最大の上陸作戦のノンフィクション。 にしても、多国籍で史上最大の動員をした連合軍のリーダーであるアイゼンハワーの胆力には、驚きである。彼がビジネス本があったならば、リーダーシップ論の名著になっていただろう。 当然、歴史にifは、ないのだが、ドイツの名将 ロンメルが防衛戦を指揮していたらと思うと、連合軍は、相当の損害を被っていたのだろうかと空想をかきたててくれる良質なノンフィクション。
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[それぞれの"D"]第二次世界大戦の帰趨を決した1944年6月6日のノルマンディ上陸作戦。人類の歴史に刻み込まれることとなったその「Dデー」に、兵士は、将官は、ヒトラーとアイゼンハワーは何を考え、どのように行動したのか。数多くの証言を得ながらあの日を再構成した...
[それぞれの"D"]第二次世界大戦の帰趨を決した1944年6月6日のノルマンディ上陸作戦。人類の歴史に刻み込まれることとなったその「Dデー」に、兵士は、将官は、ヒトラーとアイゼンハワーは何を考え、どのように行動したのか。数多くの証言を得ながらあの日を再構成したノンフィクションです。著者は、本作の映画版の脚本も務めたコーネリアス・ライアン。訳者は、英米文学の翻訳家である広瀬順弘。 上陸作戦の規模、そして歴史のいたずらとしか思えない偶然の数々に、思わずため息をもらしながら読み進めること必死。作戦全体のマクロ的視点と、個々の人物に焦点を当てたミクロ的視点が縦横に絡み合い、立体的に「Dデー」が眼前に立ち昇ってくるかのようでした。噂には本作の素晴らしさを聞いていましたが、実際に読んでみて改めて不滅の名作と言われる所以がわかりました。 かなり古い作品なのですが、まだ書かれた時点ではノルマンディ上陸作戦に何らかの形で関わった人が多い故に、ライアン氏の記述がやけに生暖かいというのも一つの特徴かもしれません。特に個々の兵士の戦場での生き様を書いた箇所では、筆に熱とロマン味が乗り移っているのが感じられました。戦記としてだけではなく、一つの物語としてもオススメしたい一冊です。 〜ついに、H時、攻撃開始時刻が来た。だれも羨む者とてない、栄光もなく疲れ果てた兵士たちが、オマハ海岸に第一歩を刻もうとしていた。ひるがえる戦闘旗もなければ、高鳴るラッパもトランペットもなかった。ただ記念すべき歴史があるだけだった。〜 圧巻すぎちゃいました☆5つ
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