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動物の狩りの百科 の商品レビュー

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2018/10/20

動物園に行ってもなかなかお目にかかれないのが、その捕食行動だ。 特に肉食動物の生態・形態は、狩りのために最適化されているものが多く、その能力を発揮できずに檻の中を行ったり来たりしているのを見るのが物悲しく感じる時もある。 とはいっても現地に赴くにはコストが高く、手軽に知るには...

動物園に行ってもなかなかお目にかかれないのが、その捕食行動だ。 特に肉食動物の生態・形態は、狩りのために最適化されているものが多く、その能力を発揮できずに檻の中を行ったり来たりしているのを見るのが物悲しく感じる時もある。 とはいっても現地に赴くにはコストが高く、手軽に知るには映像作品か本に頼るしかない。 本書は大型哺乳類から魚類、鳥類、虫類と、捕食行動が特徴的な動物50種近くの紹介をフルカラーでまとめた一冊。 一種に数ページを独立して割り当て、その行動を語る動物園的な形式であるため、全体的な一貫性や進化、分類を論じる学術的な要素はない。 それでもイヌ科とネコ科の獲物の仕留め方の違いやグンカンドリの強襲。フラミンゴのプランクトン食やヤツメウナギの寄生、コンボルタの動植共生など、知らない事実に驚かされるポイントは多い。 それにしても、この多様性のなんと魅力的なことか。赤外線を使い、毒を使い、水圧を使い、道具を使う。 知れば知るほどに「○○するのは人間だけだ!」なんて文句を使える日が遠のいていくのが分かる。 普通に生きていてもまず出会う事のない動物の詳しい生態など、間違いなく多くの人にとって必要な知識ではない。 しかし、必要でない知識を楽しめるようになることさえ出来れば、後の人生は全部楽しい事しかなくなると言っても過言ではない。 読みやすく楽しめる本書は、その入り口として悪くない一冊だ。

Posted byブクログ