遠き神々の炎(下) の商品レビュー
生き延びたのは子供二…
生き延びたのは子供二人だけ。これを察知した銀河世界は、彼らを救出せんと一隻の人類エイリアン共同船を送るが? 刻々と迫る最後の時。絶賛を博したヒューゴー賞受賞巨篇!
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下巻では同じ場面の繰…
下巻では同じ場面の繰り返しでだれてきます。ラストもこれでは解決したことになっていません。上巻の面白さが下巻まで続けば傑作になったのになぁ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
本当に面白かった。世間で騒がれてないのがおかしいと思って調べたところちゃんと有名だった。今は普通にあるのでなんなら物足りないくらいに思ってしまうネットとデバイスの描写だけど(わざわざ 嘘八百ネット、なんて言わなくてもネットは本来そうだろと思う)、無い時代の本なので本当にすごい。 訳もとてもよくて一切問題なく楽しめる。 ストロークライダーの神話まで回収するのびっくりした。
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遠未来の情報ネットワーク銀河(ニュースグループがある)。その超越界すれすれのの星で人類は50億年前のアーカイヴを発見、喜びにわきたつが……そこから目覚めたのは、人知を超えた強大な邪悪意識「疫病体」だった。解き放たれたそれは恐怖と混乱を呼び起こしつつ、恐るべき規模で銀河を侵蝕して...
遠未来の情報ネットワーク銀河(ニュースグループがある)。その超越界すれすれのの星で人類は50億年前のアーカイヴを発見、喜びにわきたつが……そこから目覚めたのは、人知を超えた強大な邪悪意識「疫病体」だった。解き放たれたそれは恐怖と混乱を呼び起こしつつ、恐るべき規模で銀河を侵蝕してゆく。 一方この星から、最後の希望となる手掛りを積んで脱出した船があった。どうにか緑の星に不時着し、彼らは犬によく似た集合知性体(鉄爪族)同士が繰りひろげる抗争に巻きこまれてしまう。生き延びたのは子供二人だけ。これを察知した銀河世界は、彼らを救出せんと人類とエイリアンが乗組む一隻の商船を送ることになる。 下位圏の星に不時着した姉弟はそれぞれ対立する群れに保護される。人類における中世相当の犬型集合知性体(鉄爪族)はその技術を利用し勝利を目論む。悪玉側に懐柔される弟、善玉側につれない態度の姉にやきもきもする。一方で、姉弟の父母たちが最上位圏で開放した邪悪意識「疫病体」が銀河を侵食していく。銀河系中位圏では「神仙」のお節介ともいえる介入で、商船が不時着船を救助しようとする。それを追跡する人類に敵対するエイリアン連合軍。銀河系まるごと追跡劇と中世を思わせる鉄爪族の合戦が始まる。 この作品の魅力は何と言っても、この銀河系宇宙の設定と「数匹で1個の知生体」である鉄爪族に尽きる。設定さえ掴んでしまえば、割りとすらすら読めるかもしれない。
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高位の知性体の考えることは、知性の低いものにはわからない、というのがミソだなぁ。どうしてそこに行かないといけないのかわからないまま、だけどそこに行けば何かが…。という期待で行く。まあ同胞を助ける意義もあるのだけれど。そこがとてもよかった。 ブルーシェル、植物系宇宙人だけど、マッチ...
高位の知性体の考えることは、知性の低いものにはわからない、というのがミソだなぁ。どうしてそこに行かないといけないのかわからないまま、だけどそこに行けば何かが…。という期待で行く。まあ同胞を助ける意義もあるのだけれど。そこがとてもよかった。 ブルーシェル、植物系宇宙人だけど、マッチョだった。
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国際社会では、いや、ネットワーク世界では、当初、ちょっとした「奇形体」としか思われていなかった邪悪意識=疫病体が実はとんでもなく危険なものであることが次第にわかってくる。しかしそのときにはすでに疫病体は知的生命を操り人形にし、その勢力をどんどん広げていくのだ。 銀河の古い種族...
国際社会では、いや、ネットワーク世界では、当初、ちょっとした「奇形体」としか思われていなかった邪悪意識=疫病体が実はとんでもなく危険なものであることが次第にわかってくる。しかしそのときにはすでに疫病体は知的生命を操り人形にし、その勢力をどんどん広げていくのだ。 銀河の古い種族、植物系知的生命のスクロードライダー商人とともに、人類のラヴナと超越生命・神仙のプログラムを脳に詰め込んだファムは疫病体を倒す方策があると考えられる鉄爪族世界に向かうが、途中、疫病体の仕掛けた罠を辛くも脱し、さらに疫病体の船団の追撃を受けながら、宇宙の旅を続けていく。こちらは『スター・ウォーズ』みたいな展開である。 集団知性生物、鉄爪族の惑星では、中世宮廷陰謀劇が繰り広げられる。 全体主義軍事国家ともいえる斬伐主義者の盟主である斬伐者は共和国制圧に失敗し、暗殺されかかり、本来の斬伐者の個体に教師ティラセクトを加えた不完全な群れで帰還する。 斬伐者の留守を守っていたのがナンバー2である鋼鉄卿。斬伐者の弟子でありながら権力に取り憑かれた鋼鉄卿は斬伐者を殺してしまおうと思っている。 木彫師は実は斬伐者の師である。つまり、群れの個体を操作することで優秀な群れを作るという実験に着手したのが彼女で、斬伐者はその成果だった。 旅する巡礼、放浪者が斬伐集団からヨハンナを助け出し、木彫師市に連れていったのだが、彼女が持つデータセットによって、木彫師の宮廷では人類の言葉サムノシュク語を身につけ、さらにはデータセットによって技術を学んでいく。 他方、宇宙船を確保している鋼鉄卿の陣営では、英才教育を施された群れ、アムディがイェフリと濃厚に接触し、アムディとイェフリは友情を育んでいく。鋼鉄卿は木彫師を邪悪な存在と教え込み、イェフリを介して人類の技術を得ようとする。イェフリの背後には宇宙船の通信装置を介してラヴナがいる。ラヴナは通信機とイェフリを通じて鋼鉄卿の作り話が伝わっており、イェフリを助けるために、鋼鉄卿の軍勢に加勢しようとする。 ラヴナの宇宙船は幾多の危機に遭いながら、ちょうど木彫師と鋼鉄卿の軍勢が衝突しているところに到着する。木彫師と鋼鉄卿の抗争にハイテクノロジーが到達し、それに数十時間遅れて疫病体に動かされる艦隊が追撃してくるなか、疫病体への対抗策を探さねばならないという状況で、物語は鉄爪族世界に収斂していく。 人間は当然として、鉄爪族やスクロードライダーが至極人間的に描かれているのはいかにも作り話ではあるのだが、おかげで感情移入しやすく、幾多の登場「人物」たちが一点に集結していくプロットに惹きつけられる。
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[ 内容 ] <上> 銀河の片隅で人類が発見した太古のアーカイヴ。 だがそこに眠っていたのは人知を超えた強大な邪悪意識だった。 解き放たれたそれは恐怖と混沌を巻き起こし、恐るべき規模で銀河文明を蝕んでゆく。 一方この悪魔の星から、最後の希望となる手掛かりを積んで脱出した一隻の船があった。 だが不時着した先の緑の星で、彼らは犬型の集合知性体が繰りひろげる抗争に巻き込まれてしまった。 ヒューゴー賞受賞最新SF。 <下> 奇妙な犬型集合知性体の星にとり残された人間の子供ふたり。 対立勢力に別々に捕われ、人類のテクノロジーをめぐって抗争は激化する。 一方大銀河では、強大な力をふるう邪悪意識が数多の文明を崩壊させ、機構の中枢まで壊滅させていた。 虚偽と悪意の情報が乱れとぶ宇宙を、姉弟の救出にむかう人類=エイリアン共同船。 だがそこにも魔の手が。 絶賛を博したヒューゴー賞受賞巨篇。 [ 目次 ] <上> <下> [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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さすがヒューゴー賞!すごい。すごい。 満月のようにキラキラ光って宇宙は輝きを増している、そんなイメージのまま光速で過ぎ去る情景と人々の情熱と助走が物語を膨張させている。ビック・バンの如く広範囲に伸長する世界観を剋目せよ!地球人たち。
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