砂時計の七不思議 の商品レビュー
粉体に関して勉強したく、手に取りやすい啓蒙書として本新書を読み通しました。 本書は新書の体裁であるにもかかわらず、粉体の物理学の不思議なところや現在(執筆当時)理解されている粉体の理解の仕方を平易な文章で示しています。本書序盤で導入される「七不思議」にみられるような現象は、粉...
粉体に関して勉強したく、手に取りやすい啓蒙書として本新書を読み通しました。 本書は新書の体裁であるにもかかわらず、粉体の物理学の不思議なところや現在(執筆当時)理解されている粉体の理解の仕方を平易な文章で示しています。本書序盤で導入される「七不思議」にみられるような現象は、粉粒体が「融ける」という考え方(比喩)でほぼ最後まで説明されます。物理学や粉体工学のモデルとして、素人目線ではかなり複雑なモデルを説明しているように思いますが、「融ける」のような表現がわかりやすくすらすら読めてしまいました。また最終章においては、物理学の歴史のある側面を概説し、粉体の研究にみられるような(現代でいうところの)計算物理学の現在の位置づけと展望を示しています。この部分も物理学者が自身の研究手法をどう考えているかがわかり、興味深い点でした。 読みやすい本ですが強いて気になる点を挙げると、「七不思議」が最初の方に紹介されてからはあまり登場せず、本の題名にするほど強い話題だったのかなと感じる点があります。また最終章の記載はやや唐突気味に感じられ、本書の締めくくりとして個人的には違和感もありました。
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随分前に読んで、この本棚には入れわすれてたなあ。とてもおもしろかった覚えがある。これ読んで、砂山崩しの算数の問題作った。いまだに受験直前に解かしてる。なかなかいい問題だと、自画自賛している。
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身近な現象の中に、物理で説明できること、できないことがあるのは面白い。現象主義的物理と、物質主義的物理について考えさせてくれる。
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導入部は確かに砂時計の話であるが、それはほんのさわりに過ぎない。 粉流体が「融ける」、「沸騰する」そして、「対流する」。粉流体の不思議な挙動が次から次へと登場し、その興味は尽きない。 終章では粉流体とは何か?から話は始まり、物理学とは?そもそもわかるとは何か?へと発展していく...
導入部は確かに砂時計の話であるが、それはほんのさわりに過ぎない。 粉流体が「融ける」、「沸騰する」そして、「対流する」。粉流体の不思議な挙動が次から次へと登場し、その興味は尽きない。 終章では粉流体とは何か?から話は始まり、物理学とは?そもそもわかるとは何か?へと発展していく。 結局物理学では粉流体をわかってないというのが上梓時の現状であった様だ。多分、現在でもそれほど状況は大きく変わっていないと思われる。 粉流体を深く考えるキカッケとなる良書である。
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粉粒体に関する説明も悪くないが, 個人的には最後の章の物理はどうあるべきかに関する議論が印象的. メカニズムを理解しなくても予測・制御できたりするのなら, メカニズムを理解しようとする学問は立場が悪くなる.
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単身赴任の中、自宅の断捨離対象になった。95年の本。 入社した数年目でむさぼるようにためになりそうでな本を読んでいた。 粉粒体の動力学について少し分かり面白かった記録が残っている。 今ならあまり関心が湧かない内容。勉強熱心だったんだと過去の自分に感心。
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[ 内容 ] 物質主義から現象主義へと物理が大きく変容する今、日常生活のなかから広がる物理の新しい可能性にチャレンジ。 [ 目次 ] 第1章 流れ落ちる 第2章 吹き飛ばされる 第3章 かき混ぜられる 第4章 吹き上げられる 第5章 ゆすられる 第6章 粉粒体とは何か [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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