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明恵 夢を生きる の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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夢とは何かの信号なの…

夢とは何かの信号なのだろうか。この時代に夢に着目し分析しようとした人が居た。

文庫OFF

心理学者として著名な…

心理学者として著名な河合氏が、明恵の宗教観を通じて現代人の生き方についてアドバイスをする。

文庫OFF

2023/01/06

「明恵 夢を生きる」河合隼雄著、講談社+α文庫、1995.10.20 392p ¥880 C0111 (2022.12.14読了)(2008.02.23購入) 前から気になっていた本です。北条泰時の「貞永式目」が明恵上人の影響のもとにつくられた、という情報に接したので、この機会に...

「明恵 夢を生きる」河合隼雄著、講談社+α文庫、1995.10.20 392p ¥880 C0111 (2022.12.14読了)(2008.02.23購入) 前から気になっていた本です。北条泰時の「貞永式目」が明恵上人の影響のもとにつくられた、という情報に接したので、この機会に読んでしまうことにしました。 この本は、明恵上人の『夢記』を心理学者の立場から読み解くのが主なテーマなので、「貞永式目」に与えた影響がどのようなものであるかについては、触れられていません。 山本七平著『日本的革命の哲学』が紹介されていますので、そちらを読むのがいいのかもしれません。また、明恵上人のことについては、白洲正子著『明恵上人』を読むのがいいのかもしれません。この本の内容については、よくわかりません。フロイトの『夢判断』でも読んでみた方がいいのかもしれません。本当は、ユングがいいのでしょうけど、手元にあるのは、フロイトの本です。 【目次】 文庫版まえがき 第一章 明恵と夢 第二章 明恵とその時代 第三章 母なるもの 第四章 上昇と下降 第五章 ものとこころ 第六章 明恵と女性 第七章 事事無礙 注 あとがき 本文索引 ●イデオロギー(101頁) イデオロギーは善悪、正邪を判断する明確な基準を与える。 ●存在そのもの(101頁) 存在そのものは善悪とか正邪とかをこえているのではなかろうか。 ●婬戒(107頁) 仏教は本来、戒律を守ることの厳しい宗教である。しかしながら、現代のわが国の仏教界を見てみると、仏僧で仏教における戒を守っている人はきわめて少ない。 戒の第一である婬戒を陰で破るなどというのではなく、公然と破ってしまっている ●貞永式目(298頁) 承久の乱後に北条泰時が制定した「貞永式目」は、わが国法制史上きわめて画期的なものであり、明治憲法に至るまで、長期にわたってわが国を支える有効な「法」として活用されることになった。泰時が「貞永式目」を制定するにあたって、その原理的背景として明恵上人が存在した ☆関連図書(既読) 「ユング心理学入門」河合隼雄著、培風館、1967.10.30 「子どもの宇宙」河合隼雄著、岩波新書、1987.09.21 「昔話の深層」河合隼雄著、講談社+α文庫、1994.02.18 「ユング心理学と仏教」河合隼雄著、岩波書店、1995.10.20 「中年クライシス」河合隼雄著、朝日文芸文庫、1996.07.01 「日本文化の新しい顔」河合隼雄・日高敏隆著、岩波ブックレット、1998.01.20 「こころの処方箋」河合隼雄著、新潮文庫、1998.06.01 「中空構造日本の深層」河合隼雄著、中公文庫、1999.01.18 「未来への記憶(上)」河合隼雄著、岩波新書、2001.01.19 「未来への記憶(下)」河合隼雄著、岩波新書、2001.01.19 「昔話と日本人の心」河合隼雄著、岩波現代文庫、2002.01.16 「神話と日本人の心」河合隼雄著、岩波書店、2003.07.18 「泣き虫ハァちゃん」河合隼雄著・岡田知子絵、新潮社、2007.11.30 「生きるとは、自分の物語をつくること」河合隼雄・小川洋子著、新潮社、2008.08.30 「河合隼雄スペシャル」河合俊雄著、NHK出版、2018.07.01 (「BOOK」データベースより)amazon 生涯にわたって自分の夢を記録しつづけた名僧・明恵の『夢記』を手がかりに、夢の読み方、夢と自己実現の関係、ひいては人間がいまを生きるうえで大切なこと等をユング心理学の第一人者、夢分析の大家が実証的に説く。夢で生き方が変わることもある…。第一回新潮学芸賞を受賞した、人間の深層に迫る名著。

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2021/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心理学や仏教に関して、大した理解もない自分でも、難解過ぎず、ある程度分かるように書かれているので、十分楽しみながら、学習できた。深い説明に至るところもあって、理解できない箇所もあるが、それを抜きにしても、それなりの満足感は得られる。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/n4e8b81fa0ff4 フロイト曰く、「夢分析」というのは、夢を見た人の意識状態を知らなければならないものだと。明恵は、当然昔の人物なので、直接話を聞くことはできない。なので、現存する書物等から判断し、理解を深めることになる。それに夢分析も加え、明恵の人物像が明らかになってくる。一般的に語られる明恵像がどういうものなのか知らないが、もしかすると本書で語られる明恵像には、何かしら違いがあるのではないかと思われる。 本書でも言われているように、たぶん「明恵」という人は、それほど広くは知られていない人物なんだろう。自分はただ何となく夢に興味があり、ここにたどり着いた。仏教にも詳しくないので、他の名僧と比べることはできないが、ここで知った明恵という人物は、仏道に真に実直で、稀有な偉人・名僧という印象を持った。 「明恵は、欲望を拒否したり抑圧したのではなく、それを肯定しつつなお戒を守るという困難な課題に取りくんだ。ここに明恵の偉大さがある。」

Posted byブクログ

2020/02/18

河合隼雄 「 明恵 夢を生きる 」明恵上人の夢を心理学的に考察した本。夢診断、明恵の人生や思想、仏教世界をわかりやすく説明。 夢を生きるとは *覚めた目で自分の夢を見る〜自分の夢を主体的に体験し深化して自らのものとする=自己実現 *夢が発展することは その人の心の発展 雨が降...

河合隼雄 「 明恵 夢を生きる 」明恵上人の夢を心理学的に考察した本。夢診断、明恵の人生や思想、仏教世界をわかりやすく説明。 夢を生きるとは *覚めた目で自分の夢を見る〜自分の夢を主体的に体験し深化して自らのものとする=自己実現 *夢が発展することは その人の心の発展 雨が降ることにより 小さい池が 大きい池につながる夢 *小さい池=禅観、大きい池=諸仏菩薩、雨=修行 金色の二羽の孔雀の夢 *明恵の精神の高揚を示す *二→華厳と真言、父性と母性、心と体、合理と非合理...統一 あるべきやうわ=明恵の生き方 *時により 事により その時その場において、「あるべきやうは何か」問いかけ、その答えを生きようとする

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2018/11/18

さて、明恵。学ぶほどに好ましく、そこに感じるのは全く違う存在への憧れ、というものではなく、日常の自分は妥協してしまっているが本来ならこうありたい姿、というものをそこに見出す。 ストイックさ、潔癖さ、合理性、自己への客観視などなど、、、「そういう考えもあるのか」ということではなく、...

さて、明恵。学ぶほどに好ましく、そこに感じるのは全く違う存在への憧れ、というものではなく、日常の自分は妥協してしまっているが本来ならこうありたい姿、というものをそこに見出す。 ストイックさ、潔癖さ、合理性、自己への客観視などなど、、、「そういう考えもあるのか」ということではなく、「ちゃんとそこまで徹底して実践できた人があるのか」という驚きになる。 だから、あまりに徹底した他力本願のありように、そんな考え方もあるのか、、、と感動した親鸞や、どこから共感していいのかわからないほど膨大な道元、天才過ぎてついていけない空海。そういったものとは違う。 「釈迦」に憧れ、自制し、自惚れず、死を側においておける。そういうのは、「こうありたいけど、そこまではやり過ぎかな」とか、「ちょっとキツいよね」みたいな安易さで妥協しているが、自分のなかに守れていない教義としてあるものである。 なので、ひたすら、自省への道を発見させられる。 畏敬の念はあるが、親しみを感じずにはいられないものもある。 あるべきようは。 これは問いかけなのだ。 在るべき様は、どういうものだ?と。それを考え、実践するのだ。 How should I be ? ということか。 本書は、明恵の夢を、夢記を通してユング心理学者の河合隼雄氏が夢分析していく。 何せ遠い800年も昔のことを夢分析するので、過剰な分析をしていないあたりが良心的。 また、そのなかでも、夢の変遷と、時代背景や明恵の伝記をあわせみることで、明恵の個性化を見出していくとともに、そういったことにある程度自覚的ですらあった明恵に驚いていく。 取り敢えずまずは僕も夢記をしてみようと思う。 「我、戒を護る中より来たる」そんな最期の言葉を言えるほど堂々と生きるべきなのだ。それが、あるべきようは、を問い続け、実践していくことなのだろう。

Posted byブクログ

2017/12/18

読むのが少し大変だけど面白かった。読んだけどまだ読みつくせ無いところ沢山ある感じ。この本は、夢を軸にして河合隼雄、明恵、仏教、心理学それぞれに対する興味との関連も出てくる。明恵自体よく知らない状態で読んだので持った印象の精度を自己点検はできてないかも。とはいえ、著者の思っているこ...

読むのが少し大変だけど面白かった。読んだけどまだ読みつくせ無いところ沢山ある感じ。この本は、夢を軸にして河合隼雄、明恵、仏教、心理学それぞれに対する興味との関連も出てくる。明恵自体よく知らない状態で読んだので持った印象の精度を自己点検はできてないかも。とはいえ、著者の思っていることはいつになく伝わるような書き方をしているように思った。問題を抱えた人を眺めるのではなく、歴史上の人物を資料を通して河合隼雄が語るというのはなかなか面白い。より素の感覚に近い語りなのではないかな?と思ったりもできて面白かった。

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2015/05/26

生涯にわたって自分の夢を記録しつづけた名僧・明恵の『夢記』を手がかりに、夢の読み方、夢と自己実現の関係、ひいては人間がいまを生きるうえで大切なこと等をユング心理学の第1人者、夢分析の大家が実証的に説く。夢で生き方が変わることもある……。 第1回新潮学芸賞を受賞した、人間の深層に迫...

生涯にわたって自分の夢を記録しつづけた名僧・明恵の『夢記』を手がかりに、夢の読み方、夢と自己実現の関係、ひいては人間がいまを生きるうえで大切なこと等をユング心理学の第1人者、夢分析の大家が実証的に説く。夢で生き方が変わることもある……。 第1回新潮学芸賞を受賞した、人間の深層に迫る名著。

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2014/05/12

これは、明恵の夢に対する著者の考察をまとめた論文のようだ。鎌倉時代に生きた僧、明恵の夢記を紐解き、夢とともに(ユング派でいうところの)個性化を成し遂げて行ったであろう論を展開している。転機においては判断のヒントを、完成に至っては華厳の世界の実現を夢と現実とにみたであろうと。深層心...

これは、明恵の夢に対する著者の考察をまとめた論文のようだ。鎌倉時代に生きた僧、明恵の夢記を紐解き、夢とともに(ユング派でいうところの)個性化を成し遂げて行ったであろう論を展開している。転機においては判断のヒントを、完成に至っては華厳の世界の実現を夢と現実とにみたであろうと。深層心理の幕開けが、20世紀初頭であることを考えると、この時代にこれだけ夢に真摯に取り組む人がいたということに、著者がいだく驚きと尊敬の思いとが随所に感じられる。ただ、時代を追ってはいるものの、個別の夢ごとの説明と、夢は現代語訳されておらずすぐにイメージがわかないために、明恵という人物像を読者が全体的に捉えることには失敗している。明恵の人物伝といったストーリー性を求める人にとっては、期待外れの本といえよう。

Posted byブクログ

2014/02/09

たまたま歴史的に興味があったので読んでみた。 鎌倉という時代は 稀有な仏僧たちが 生まれている背景 など 臨床心理士という立場で 日本民族の精神構造等々 形成していく過程で 大きな役割を担ってきたのではないか… という ところに 触れているのも 関心が持てた。 あまり 明恵のこ...

たまたま歴史的に興味があったので読んでみた。 鎌倉という時代は 稀有な仏僧たちが 生まれている背景 など 臨床心理士という立場で 日本民族の精神構造等々 形成していく過程で 大きな役割を担ってきたのではないか… という ところに 触れているのも 関心が持てた。 あまり 明恵のことについては 知らなかったがこれを機会に 明恵のことなども 知りたくなった。

Posted byブクログ