フィリッポ・リッピ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この巻では、ついにフィリッポ・リッピの登場である。未だゴシック末期の様式が残るとはいえ、ここまで来ればもはやまぎれもない初期ルネサンスだ。リッピはその生き方もまた奔放であり、その点でもルネサンスを体現しているかのようだ。彼の敬称にはフラが冠されるが、これは修道士の意味である。ところが彼はいわゆる破戒僧であり、彼の描く『聖母子』像のモデルは尼僧のルクレティア(表紙も彼女か?)であり、リッピはなんと彼女をかどわかして子どもまで産ませている。後のフィリピーノである。しかし、絵は限りなく生々しく妖艶で美しい。
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