ブラックノディが棲む樹 の商品レビュー
現代に生きる女性たち…
現代に生きる女性たちの様々な姿を物語性豊かな筆致で鮮やかに描いた作品集。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
性愛をテーマとするとき、しばしば不倫が描かれる。結婚という形式的愛の結びつきに対比する形で描くことにより真実の愛の強さを探ろうという試みなのか。形式から外れていることが、また人目忍んでの逢瀬が気持ちを昂揚させる。しかしながら、体だけの交わりは侘しい。やるせない。しかも必ず誰かを傷つける。愛とは人を傷つけてまで貫かなければならないものなのか。個人的には花標が良かった。
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実生活でスキューバダイビングを趣味としている作者は、 『海の中に死がある』と言っている。 それを実感している身であるからこそ書ける文章がそこにある。 死と隣り合わせの官能、 理屈っぽいが理屈が通用しないような男女の仲。
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「ブラックノディが棲む樹」「花標」「海の神様」「白隠」「蛍の挽歌」の5編の短編集。 このうち、3編は高樹のぶ子さんらしい、はっきりしない男女関係がその表現方法の一役を担っているのに対し、「海の神様」はダイビングをしにアジアに出かけたときのエッセイのような感じで仕上がっているし...
「ブラックノディが棲む樹」「花標」「海の神様」「白隠」「蛍の挽歌」の5編の短編集。 このうち、3編は高樹のぶ子さんらしい、はっきりしない男女関係がその表現方法の一役を担っているのに対し、「海の神様」はダイビングをしにアジアに出かけたときのエッセイのような感じで仕上がっているし、「白隠」は、母娘3人でドライブ旅行する時の心の動きをメインにしている。 個人的には、特に「花標」の雰囲気、「白隠」のドキドキする感じ、「海の神様」のメッセージ的な流れが気に入っている。
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