コスモポリタンズ の商品レビュー
舞台は、ヨーロッパ、…
舞台は、ヨーロッパ、アジアの両大陸から南島、横浜、神戸まで―。故国を去って異郷に住む"国際人"の日常にひそむ事件のかずかず。コスモポリタン誌に1924~29年に連載された珠玉の小品30篇。
文庫OFF
人間とは矛盾したものである。人に対する温かい眼差しに満ちた短編集。なかでも「ルイーズ」が一番印象に残った。
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雑誌コスモポリタンに掲載されたショートショート集。巻頭で作者は「読者には面白いと感じてもらう以外何も求めない」と言っている。すごい自信だけど、本当に面白いから感服する。 やはり、この作家は常識から逸脱した男女に温かい目線を注いでるところが好き。お菓子とビールもそうだけど、特に女性...
雑誌コスモポリタンに掲載されたショートショート集。巻頭で作者は「読者には面白いと感じてもらう以外何も求めない」と言っている。すごい自信だけど、本当に面白いから感服する。 やはり、この作家は常識から逸脱した男女に温かい目線を注いでるところが好き。お菓子とビールもそうだけど、特に女性を罰しようとしないのがとてもよい。例えば「約束」「真珠の首飾り」「社交意識」「洗濯盥」(当然、それぞれ魅力ある女性だけど)、ある種の賞賛と共に描かれている。まあ、一方で猫被りながらその実自分の思い通りに他人を動かそうとするような女性には、かなり手厳しいけど。例えば「ルイーズ」「家探し」。
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・弁護士メイヒュー 探究することの幸福と世事の相反。 ・漁夫の子サルヴァトーレ 素朴と善良の美しさ。書き出しの巧みさ。 ・物識り先生 いけすかない奴の見せた優しさ。「この瞬間、わたしはケラーダ氏がそれほど嫌いでなくなった」 ・家探し 女を傷付けない駆け引き ・ある紳士の自画像 「つまり私たちは、人間性をありのままに肯定するよりほかありませんからね」 ・審判の座 凝り固まった道徳は道徳ではない ・約束 想像できる中で最も良い女
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コスモポリタン誌に連載されていた短編を集めたもの.いずれも短いので,毎日あいた時間に少しずつ読むと良い. 最後に見事なオチの用意された話もあるし,人生の皮肉な因果を描いた話もあるが,「傷跡のある男」「詩人」「会堂守り」がよかったかな.最後の「四人のオランダ人」は来月訪れることにな...
コスモポリタン誌に連載されていた短編を集めたもの.いずれも短いので,毎日あいた時間に少しずつ読むと良い. 最後に見事なオチの用意された話もあるし,人生の皮肉な因果を描いた話もあるが,「傷跡のある男」「詩人」「会堂守り」がよかったかな.最後の「四人のオランダ人」は来月訪れることになっているマカッサルが出てきたので驚いた. ふと思ったのだが,志賀直哉の書く小説ともエッセイとも判断がつきかねる短編というのは,モームの系譜なのだろうか?
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※このレビューにはネタバレを含みます
著者からの序文にもある通り、この本に収められた作品群は掲載誌からの厳しい文字数制限を受けた中で、きっちりと短編小説として体を成すように求められたものばかり。日本語訳ではページ数に多少のバラツキが出てますが、それでも10ページ前後で完結するようになってます。 29の短編は舞台も構成も登場人物も、作品ごとに見事にバラバラ。中にはオチがよく分からないものもあったりしますが、限られた文字数でよくここまで登場人物像や風景を描写できたもんだな、と驚かされます。各作品の読みごたえはだいぶ異なるので、読むタイミングが変われば印象に残る作品もまた変わるんじゃないかという気がします。 特に印象に残ったのは2つ目の作品『弁護士メイヒュー』の最後の文章。 「自分のしたいことをし、目的が達成された時の幻滅の悲哀を味わわずに死んだら、その生涯は成功である。」
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既に、他の文庫などで読んだことがあるものが散見されるが、まとめて読むと読み応え抜群だった。ちょっと疲れてしまうぐらいで、一気には読めなかった。作者がいうように、1編か2編づつ時間が空いたときに読むといいかもしれない。 抜群の観察力と展開がいつもながらうまい。広義の意味で小説を書...
既に、他の文庫などで読んだことがあるものが散見されるが、まとめて読むと読み応え抜群だった。ちょっと疲れてしまうぐらいで、一気には読めなかった。作者がいうように、1編か2編づつ時間が空いたときに読むといいかもしれない。 抜群の観察力と展開がいつもながらうまい。広義の意味で小説を書くテクニックを学びたいならこれを読むことは有意義だと思う。 これだけ、たくさん書いて、まったくつまんないという話は一つもないという面白さだった。
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掲載紙(もちろん、「コスモポリタン」)の都合で、ごく短い短編ばかり。しかし作品の余韻はより長い小説にも負けない。ちょっとしたスケッチや、オチで読ませるショートショート風のものなどいろいろあるが、どれもこれもおもしろい。ストーリーテラーとしての面目躍如といったところ。
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サマセット・モームの意地悪さより、多彩さ、冷静さ、経験の深さ、それに少し優しさもある、非常におもしろい短編集。おすすめです。
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