パタゴニア の商品レビュー
夏でも冬の景色。臨場感あふれる語り口。 夫婦の危機を気にかけながら旅を続けているため、旅の進行と心の揺れが連動していて、他人事には思えなくなる。 ふざけたところは全くない。荒涼としたパタゴニアの風景に、心情が反映されるような印象を受けるため、他の椎名作品とは随分と違う。 ず...
夏でも冬の景色。臨場感あふれる語り口。 夫婦の危機を気にかけながら旅を続けているため、旅の進行と心の揺れが連動していて、他人事には思えなくなる。 ふざけたところは全くない。荒涼としたパタゴニアの風景に、心情が反映されるような印象を受けるため、他の椎名作品とは随分と違う。 ずしっと心に響く作品だ。
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椎名誠が、パタゴニアの氷河と大平原を旅した記録を2章に分けて描く。 解説の中沢氏によると、著者にとって「異例の難産」だと云わしめたその理由は、すでに冒頭から読み取れる。彼は、出発前の妻の異変に気づかなかった自分を悔やみ、それでもなお旅立ってしまう。最後に言葉をかわしたときの妻...
椎名誠が、パタゴニアの氷河と大平原を旅した記録を2章に分けて描く。 解説の中沢氏によると、著者にとって「異例の難産」だと云わしめたその理由は、すでに冒頭から読み取れる。彼は、出発前の妻の異変に気づかなかった自分を悔やみ、それでもなお旅立ってしまう。最後に言葉をかわしたときの妻の描写がなんとも切なくて、その後、辺境の中の辺境を旅しながらも、何度もその光景を思い浮かべる様子がうかがわれた。 チリの港プンタナレアスで初めてスーツケースを紐解いたときに、黄色い野の花が萎れて入れられていたという話が好きだ。 パタゴニアは、今でこそアウトドアブランドの名になるほど有名になったし、多くの観光客が足を運ぶようになったが、著者が旅した当時は、未開の地以外のなにものでもなかった。 パタゴニアという名前自体、マゼランがこの地を探検した時に名付けられたもので、そこで遭遇したインディアンが恐ろしいほどの巨人だったという話に端を発する。1520年頃のこと。 patagon(巨大な足)というのが、その語源だそうな。 ところで表題の意図するところは、私が最近「南米、南米」としきりに騒いでいるので、彼もにわかに興味が出てきた様子。 来年あたり、ブラジルとアルゼンチン行ってきます〜なーんてことがあったりして♪
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自分の生き方を通す男を支える妻は、やっぱり偉大だなあとひしひし感じました。パタゴニアを旅する椎名さんの旅行記と、妻の一枝さんとの愛の物語でもあります。すごく温かい。
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you will realize how much Mr. Shiina loves his wife when you read the story.
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090119(c 090329) 091014(t 091116) 091128(s 091130)
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椎名ファンの私としてはアルゼンチンに暮らす前に是非読んどかなくっちゃ、と思い買ったが結局帰国後読んだ。 風とタンポポ。
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ナイロンメーカーの本ではなく、南米の雄大な自然の厳しさについて克明に描く本。 椎名誠にもう少し力があれば力作なのですが。
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