1,800円以上の注文で送料無料

神々の指紋 の商品レビュー

5

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/07/19

「あとがき」にあるように(いきなり、あとがきからでごめんなさい)、「気ままな古代逍遥遊」です。1988年に筑摩書房から刊行されたもの。絶版になっていたものがこの平凡社ライブラリーから刊行、とのこと(各篇それぞれ初出は別、複数の雑誌など)。古典古代(ギリシア・ローマ、エジプト…)を...

「あとがき」にあるように(いきなり、あとがきからでごめんなさい)、「気ままな古代逍遥遊」です。1988年に筑摩書房から刊行されたもの。絶版になっていたものがこの平凡社ライブラリーから刊行、とのこと(各篇それぞれ初出は別、複数の雑誌など)。古典古代(ギリシア・ローマ、エジプト…)をめぐるエッセイ。オリュンポスの神々の名や神話に馴染んだ者として、なんとも愉しい逍遥、と読みました。例によってちょっと長くなりますが「あとがき」から引用します。「 思えば十代の半ば、プルタルコスやプラトンを読みはじめたころから、ずいぶん古くさいものの好きな子供であったが、爾来何十年も古代世界に出入りしているうちに、少なくとも三千年は時代遅れな人間になってしまった。必要とあらば、めまぐるしい〈現代〉からぐっと距離をおいて生きる、という習性も身につけた。いわば自発的な化石である。しかしどんなデメリットの裏にもメリットはひそんでいるもので、ある意味で、きわめて長い視線のもとに世界を眺めわたす楽しみを手に入れたような気がしている。」…、以上、私もまた、かなりなスパンで化石化することもできるんだな、などという感懐とともに。

Posted byブクログ