水木しげるの大冒険 の商品レビュー
作品が好きだからといってその作者に関心を持つことはあんまりないのだけれど、水木しげるはその存在自体が異様で興味深い。そんな異様な作者のマレーシアに妖怪を探しにいく紀行なのだけど、内容は週刊雑誌の連載のための俗物的なもので(わざとか?)ろくでもない。すごい段取りをしてこの内容か?!...
作品が好きだからといってその作者に関心を持つことはあんまりないのだけれど、水木しげるはその存在自体が異様で興味深い。そんな異様な作者のマレーシアに妖怪を探しにいく紀行なのだけど、内容は週刊雑誌の連載のための俗物的なもので(わざとか?)ろくでもない。すごい段取りをしてこの内容か?!せっかくの絵も見開き2ページにまたがるから肝心なところが境目で見にくかったりするし、粒度の違う絵があったりする。なんでこんなでレイアウトにした? それでも、水木しげるの冒険者としての資質をまとめた最終章などはっとする部分はある。なにがあろうと自分のやりたいことをやり通す傍若無人さ、自分が気にいらなしものは絶対に受け付けないシビアな拒絶力など特異なキャラクターを捉えている。こういう奇態なキャラと源泉徴収などの実務が両立する本当に妖怪じみた存在であることがよくわかる紀行です。荒俣氏との話も出てきて面白い。 お手本にしようにも足元にも及ばない存在だということがよくわかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
水木しげるは妖怪漫画の人と思っていたのだが この本を読むと妖怪とは精霊であり、近代文明がうしなってきたアニミズム的な世界観を大切にしてきた人であることがわかる。 この本はマレーシアに住む原住民(オランアスリ)のつくる精霊の彫像を買い求めつつ、村から村へと旅した旅行記である。著者の大浅さんにとっては水木しげるは父であり、妖怪ものの先達であり、また仲間である。水木さんの人柄もしることができるなかなか稀有な本であった。 狩猟民族にこそ人類の本質があるという洞察には頷かざるを得ない。
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ここに収録されたハントゥの人は怖い。 ガメラは人類の守護者だと思ふ。 最近読んだ本によれば亀型の妖怪は人へ災厄をもたらす物が結構ゐるさうで、さうすると大泉実成御大が遭遇したシャーマンの人は、ある種本物かもしれん。 美少女の隣にちょこんと座る水木しげる大先生は、大変素晴らし...
ここに収録されたハントゥの人は怖い。 ガメラは人類の守護者だと思ふ。 最近読んだ本によれば亀型の妖怪は人へ災厄をもたらす物が結構ゐるさうで、さうすると大泉実成御大が遭遇したシャーマンの人は、ある種本物かもしれん。 美少女の隣にちょこんと座る水木しげる大先生は、大変素晴らしい。 今見ると、取材時このぢぢいが取材班の 「あと十年は取材してくださいよ」 と言ふのへ 「三十年です」 とかこいたら、へたするとまだご存命かもしれないとか思った。
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水木さんのお人柄がよく分かる、水木しげるの解説書みたい。ちょっとしたセリフがクスッと面白い。どうして水木作品に人気があるのか、私がこんなに魅力を感じてやまないのか、分かりやすく指南、腑に落ちる、感じ。
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