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死ぬことと見つけたり(上) の商品レビュー

4.6

48件のお客様レビュー

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「葉隠」だの「武士道…

「葉隠」だの「武士道」だのお堅い哲学観念など一切なく、そこはやはり隆慶一郎、極上のエンターテイメント小説として読めます。未完なのが残念ですがそれを理由に読まないのは勿体ないくらい面白いです。

文庫OFF

「葉隠れ」に以前から…

「葉隠れ」に以前から興味があり、期待はあまりしないで読んだのですが、途中で終わっているのが非常に残念です。実際にこんな武士はいただろうかとも思いますが、近い人はたくさんいたのではないでしょうか。一番印象的なのは、試合の場面で手も足も使えなくなったら歯で相手の喉を噛み切ってでも・・...

「葉隠れ」に以前から興味があり、期待はあまりしないで読んだのですが、途中で終わっているのが非常に残念です。実際にこんな武士はいただろうかとも思いますが、近い人はたくさんいたのではないでしょうか。一番印象的なのは、試合の場面で手も足も使えなくなったら歯で相手の喉を噛み切ってでも・・という執念に感じ入るものがありました。現代の格闘技(スポーツなど)には絶対にありえないことだけに武道をかじっている者には考えさせられるものがありました

文庫OFF

鬼麿斬人剣”のレビュ…

鬼麿斬人剣”のレビューで、作者の思いが小林秀雄の思いに繋がるような気がして書いた。作者紹介をなにげなく読むと、隆氏は東大仏文科で小林に師事した、とあるではないか。その思いが直接交流していたことを確信した。「葉隠」が面白くてはいけないのか、と問う部分が、僕が一級のストーリーテラーと...

鬼麿斬人剣”のレビューで、作者の思いが小林秀雄の思いに繋がるような気がして書いた。作者紹介をなにげなく読むと、隆氏は東大仏文科で小林に師事した、とあるではないか。その思いが直接交流していたことを確信した。「葉隠」が面白くてはいけないのか、と問う部分が、僕が一級のストーリーテラーとして隆氏を尊敬する肝かもしれないと思った。

文庫OFF

突然の死で未完となっ…

突然の死で未完となってしまったが、作品の力がそれを感じさせない。この人のは他にも未完がだいぶあるけど、本当に残念。時代小説の大きな損失です。

文庫OFF

鍋島藩特有の葉隠精神…

鍋島藩特有の葉隠精神どっぷりの若者達を書いた作品。この本を読んで、これが武士道かとは、絶対に思わないで下さい。主家乗っ取りの、鍋島藩の苦肉の策の葉隠だから。異常だが面白い。

文庫OFF

2024/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時代小説は人の名前が難しい… 言葉も難しい。 ただ、面白い。 死人。毎朝死ぬ。 その為、後悔などしない生き方。 自分に強い生き方を学びたい。 p127.ことの大小を問わず、理由の正逆を問わず、一瞬に己れのすべてを賭けて悔いることがない。 p130.今日只今に己れの全存在を賭けて決して悔いることのない男である。 p197.人間のすることに理屈はどうにでもつく。だがすべて嘘である。何を考えるかではなく、何をするか或いはしないかで男の評価はきまる。

Posted byブクログ

2023/03/31

最後まで終わっていない事だけが悔しい。 しかし構想だけ見ればある程度は想像出来ると共に、他作品を見ると容易に想像出来る。 バイブルと言える作品が見つかった。

Posted byブクログ

2022/11/10

死を畏れぬ心の鍛錬とは、人を一体どこに辿り着かせるのか。葉隠が教える生き様。死が恐ろしくないならば、人は自暴自棄に生きてしまわないものか。そこに眠る信念を歴史小説が解き明かす。清々しく気持ちの良い、痛快な物語だ。それでいて葉隠の真髄が随所に散りばめられる傑作。今まで読んだ事が無か...

死を畏れぬ心の鍛錬とは、人を一体どこに辿り着かせるのか。葉隠が教える生き様。死が恐ろしくないならば、人は自暴自棄に生きてしまわないものか。そこに眠る信念を歴史小説が解き明かす。清々しく気持ちの良い、痛快な物語だ。それでいて葉隠の真髄が随所に散りばめられる傑作。今まで読んだ事が無かった事、本作を手に取った邂逅を嬉しく思う。 何より、作者の原体験。死は必定。戦時中の回想から始まるのである。徴兵検査を受けさせられ、兵役を課せられることになった作者は、その当時アルチュール・ランボーと中原中也が愛読書だった。ランボー作『地獄の季節』をどうしても戦場に持っていきたかった。考え抜いたあげく戦場でも許される『葉隠』をくりぬいて『地獄の季節』を持っていく。活字に飢え、だから、出会った。 毎朝、自分の死を思い描いてから1日を始めるという習慣。死を畏れぬ事と自棄になる事は違う。読みながら、自らを顧みて学ぶ。

Posted byブクログ

2022/05/02

太平洋戦争で徴兵された若者が、ランボオの詩集を持ち込みたくて「葉隠」の中に潜ませて行く。活字に飢え、やむなく葉隠を読み出して、その魅力に引き込まれ、独自の解釈を展開していく。ここから時代は江戸初期に移る。鍋島藩(現在の佐賀)の葉隠武士3人衆が、藩のため、主君のために躍動する。その...

太平洋戦争で徴兵された若者が、ランボオの詩集を持ち込みたくて「葉隠」の中に潜ませて行く。活字に飢え、やむなく葉隠を読み出して、その魅力に引き込まれ、独自の解釈を展開していく。ここから時代は江戸初期に移る。鍋島藩(現在の佐賀)の葉隠武士3人衆が、藩のため、主君のために躍動する。その生き方は、武士の本分そのままであり、常に自分は死人(しびと)として生に執着せず、故に立場にも金にも執着しない。義や孝に反するものは許さないが、それが主君であっても、不法を諌めて切腹を賜るのが最上とするもの。なんとも爽やかで潔い生き方。家族も友人も、吉原の顔役すら、皆彼らに惹かれる。まっすぐなだけに、命懸けで付き従うものも多いが、敵も多く、常に命のやり取りをする。一見、付いていけない奇人ばかりだが、三人の中にややまともな者があって読者としても理解しやすいバランスになっている。著者の急逝により、未完となっているのが残念だが、読後感すっきり。

Posted byブクログ

2021/05/07

葉隠武士道を貫く杢之助らの生き方が粋で清々しい気持ちになる。 随所にマネジメントの至言も散りばめられ、思わず唸る...。10数年前に読んだ時には気づけなかったことが多々あり、読み返す価値を改めて実感。 さあ下巻に参ろう。

Posted byブクログ