影たちの叫び の商品レビュー
私立探偵ジャック・ドゥワイアを主人公とする1990年発表作。このシリーズは本作のみ翻訳されており、ゴーマンの他の作品も僅かな紹介しかなされていない。アメリカ社会の底辺に生きるホームレスが絡む犯罪を描くプロットは、シンプルで地味な印象。だが、凍てついた街の描写は陰影に富み、ハードボ...
私立探偵ジャック・ドゥワイアを主人公とする1990年発表作。このシリーズは本作のみ翻訳されており、ゴーマンの他の作品も僅かな紹介しかなされていない。アメリカ社会の底辺に生きるホームレスが絡む犯罪を描くプロットは、シンプルで地味な印象。だが、凍てついた街の描写は陰影に富み、ハードボイルドの良質なテイストが味わえる。解説者が指摘している通り、ドゥワイアの魅力とは「優しさ」であり、事件の関係者一人一人への〝共感/共鳴〟の度合いは、やや過剰ともいえるほど。主人公は元警察官で俳優をしていたという経歴だが、この作品では生かされていない。
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私立探偵が割りと地味に犯人を捜していく話。 派手な銃撃シーンもマッチョなアクションもなく、淡々と話が進んでいく。最後のオチも、なんか地味。 (以下ネタバレで申し訳ないのだけれど。) 人肉ってほんのちょっとだけ他の肉料理に混ざっていても味で分かるの? しかもそれを科学鑑定で分かるの? いまいちすっきり納得できない。 プロットはそれなりにしっかりしているので話自体は読めるのだけど、同じ作者の「夜がまた来る」の方が面白かった。 どうせなら、そちらの続編を出版してくれたらいいのに…。
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