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緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道 の商品レビュー

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2024/09/12

河出文庫文芸コレクションの行間が好きで、色んなもののレビュー見ててふとこれのレビュー見てたら「なにそれ?全然内容わからんな」っていう内容が多くてたまたま古本屋にあったので買った。 文章は小川洋子とか宮下奈都のような芳しさがあってかなり好きだった。しかし白黒つかない小説が好きでは...

河出文庫文芸コレクションの行間が好きで、色んなもののレビュー見ててふとこれのレビュー見てたら「なにそれ?全然内容わからんな」っていう内容が多くてたまたま古本屋にあったので買った。 文章は小川洋子とか宮下奈都のような芳しさがあってかなり好きだった。しかし白黒つかない小説が好きではない人にはかなり微妙に感じるだろうと思う。 解説にもあるけど、主人公と姉のやりとりが続く場面で主語がどちらなのか明示されないまま地の文が進む箇所がちょいちょいあるのでそういうところは繰り返し読んで己の腑に落ちる方を選んでいく作業が必要だった。正直必要な技巧だったのかわからない。姉妹がいないからわからないけど肯定的に考えるのであれば、主人公は重度の障碍を抱えた姉の手足になる必要があった訳で相手の考えの先を読む作業が必要でそれが血の繋がりと相まってお互いに意識が混ざるような時もあったというのを文体で表しているのかなあ。 一番奇妙だったのは先述の文体の不思議さで、その他は妙に色っぽいやりとりがうっすら出てくるもなにかが行われる訳でもないとか父の体調が崩れて家族の形が変わるかと思いきや母や主人公が動いて家族の新たな形を受容していくとかそういう話でした。読んでてスカしを食らい続ける。傍からみたら大変そうなご家族を神の視点で見るとこんなかんじなのかなあ、という内容。 特にオチがないので「ええ!なんでそこで終わるの?」とはなる。文体の良さだけが残って、そこに惚れて買ってたから悪くないわねと思って星4にしてるけど純文学読む人にしか勧めないかも。

Posted byブクログ