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郵政省解体論 の商品レビュー

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2012/10/03
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旧郵政省の改革を唱える小泉新総理と経営評論家の梶原一明が、自由に自説を述べ、議論を戦わせた本である。 本書を読むと、郵政3事業(郵便、貯金、簡易保険)がなぜ問題かがよくわかる。そもそも国家事業として政府が営むべき事業なのかどうかについて、広く議論してほしいと小泉は思っているのであり、それが本書を公刊した動機にもなっている。郵政省をどうするかという問題は、財政投融資をどうするか、公庫、公団をどうするかといった、行財政改革全体の問題とも関連する。また、情報通信と放送とが融合したマルチメディア社会の展望にもかかわってくる。民間との対比で、政府の役割をどう位置づけるかについて見直しを迫る問題でもある。 本書の中心部分は、2人の対談を採録した部分と、梶原が執筆した論述部分とからなっている。そのなかでは対談部分がやはりおもしろい。談論風発で、歯切れがよい。 梶原と小泉は意見が完全に一致しているわけではない。梶原は郵政省不要論であるが、小泉は郵政3事業民営化を中心とした郵政省解体論である。そうした違いはあっても、2人の著者が共に正論を戦わせ、真正面から議論しているので、わかりやすい内容になっている。議論の進め方が正攻法で、2人とも旗幟鮮明なところが良い。 本書の初版は1994年に出された。94年というと村山連立政権時代だ。議論のなかに、陳腐化した議論がないわけではない。たとえば、本書で主張されている省庁改革はその後現実のものとなり、旧郵政省は総務省に吸収された。その小泉が首相になったのだから、時代は動いたのだ。(榊原清則) 削除

Posted byブクログ