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孟子 の商品レビュー

3.6

12件のお客様レビュー

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2021/03/04

孔子の弟子であり、性善説を唱えた孟子を詳細に紹介した本。1966年に出版されたので、自分とほぼ同い年の書。 孟子は、どちらかというと「天」の概念が重要というのがハーバードの人気教授マイケル・ピュエットの主張だが、中国の戦国時代という社会が政治的に安定していない世界にあって春秋時...

孔子の弟子であり、性善説を唱えた孟子を詳細に紹介した本。1966年に出版されたので、自分とほぼ同い年の書。 孟子は、どちらかというと「天」の概念が重要というのがハーバードの人気教授マイケル・ピュエットの主張だが、中国の戦国時代という社会が政治的に安定していない世界にあって春秋時代の孔子が唱えた説を改めて性善説として打ち出している点や性格がどうも自分に似ているらしいという点は、興味深い。 大きな流れとしては、孔子の仁を受けた仁義説、それにもとづく王道論、それからその基礎付けとしての性善説、やがて精神主義の強まりと天命の自覚、というのが発展のあらすじ 四端説 同情心こそ仁の端 羞恥心こそ義の端 謙譲心こそ礼の端 分別心こそ智の端 これに対して告子が反駁しているのになかなか孟子は説得的な論理を展開しきれていない。 著者も「人間性が善だということそのまま額面どおりにうけとれない」「明らかに、それは客観的現実認識から得られた断案ではなかった」 しかし、これを孟子による現実に対する宣言ととらえれば話は別である。 中国は神話に乏しい、というのは面白い 孟子は、堯舜といった聖人をあがめながらも、身近いものに引き寄せている 一言でいえば「養心」や「存心」といった考え方に集約される。すなわち、 自分の内心の高貴な存在をしっかりと自覚して、それを亡ぼすことのないように大切に養い育てること。 反対の言葉が「放心」である。 この「養心」という概念は「浩然の気」「大丈夫の説」「大勇の説」「不動心」といったことに連なっていく。 そして「天」や「命」の話になると、 「君子は法を行いて命をまつのみ」 という考えである。これは、結局隠遁せざる得なかった孟子の挫折から来る。 「孟子」は * 「梁恵王章句上・下」:「公孫丑章句上・下」から抜き出されたか * 「公孫丑章句上・下」 * 「滕文公章句上・下」 * 「離婁章句上・下」 * 「萬章章句上・下」 * 「告子章句上・下」 * 「盡心章句上・下」 の七篇よりなる。 

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2019/01/13

金谷治さんによる孟子の人物像を明らかにした書籍。事前に『論語』『孟子』を読了しておくと楽しめる。さらに孟子の性善説と対し、性悪説を説く『荀子』を読了しておくとなお良し。金谷治さんは、孟子好きとのこと。

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2017/12/14

『天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先づ其の心志を苦しめ、其の筋骨を労し、その体膚を餓やし、其の身を空乏し、行ひ其の為すところに払乱せしむ。 心を動かし、性を忍び、その能はざる所を曾益せしむる所以なり。』 『貴きを欲するは人の同じき心なり。人々、己に貴き者あり。思わざ...

『天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先づ其の心志を苦しめ、其の筋骨を労し、その体膚を餓やし、其の身を空乏し、行ひ其の為すところに払乱せしむ。 心を動かし、性を忍び、その能はざる所を曾益せしむる所以なり。』 『貴きを欲するは人の同じき心なり。人々、己に貴き者あり。思わざるのみ。人の貴ぶ所の者は、良貴に非ざるなり。趙孟の貴くする所は、趙孟能く之を賤くす』

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2016/04/16

原文の訳本だと思ったら解説本だった^^; 最初はエ~~。。。やめよかなと思いながら読んでいると 二章の終わりごろから段々面白くなってきて、 一気に読み終わってしまったよ。 概論は分かったので、次は訳本だ。

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2015/05/02

思想より人物像に目が行く本。著者はあとがきで孟子が好きだと明言している。それだけあって孟子へのあたたかい愛情と学者としての論理的な追及が共存していておもしろかった。

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2015/02/13

「舜も人なり、われもまた人なり。」 努力すれば人は聖人になれる、と説いた孟子に関する本。 いわゆる性善説は、人間に無限の可能性を認めるものだろう。人は生まれながら高い道徳心を持っている。しかし、多くの人がそれを顕在化しようと努力しない。なにもしなくても人間は善である、というわけ...

「舜も人なり、われもまた人なり。」 努力すれば人は聖人になれる、と説いた孟子に関する本。 いわゆる性善説は、人間に無限の可能性を認めるものだろう。人は生まれながら高い道徳心を持っている。しかし、多くの人がそれを顕在化しようと努力しない。なにもしなくても人間は善である、というわけではない。努力が大切なのだ。 孔子にあこがれ、自身も聖人を目指した孟子。彼の考え方はストイックだ。怠慢な人間には理解できない。だからこそ、人間は生まれながらに善である、という間違った性善説が広まっているのだろう。 彼の考え方を拡大解釈すれば、人間は努力すれば何でもできる。逆に考えると、目的を達せられないのは努力が足りないからだ、となる。

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2013/06/16

孟子を時系列順に並べ解説している。 講談社学術文庫の孔子に比べると、 文章は少々固く学術的である。 だが、決して読み辛い本では無い。 岩波の孟子の前に読んでおくべき。 なお、あとがきによると金谷先生は孟子が好きらしい。 それだけに孟子の現代訳が読めないのは残念である。

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2013/03/03

天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずその心志を苦しめその筋骨を労せしむ。 読んで良かったが、孟子の抜粋というか、孟子の人となりを著者が伝えようとした書物。 孟子の全文が載っているわけではないので注意。 但し内容は面白かった。岩波かどっかの、全文が載ってる本を読んで読みた...

天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずその心志を苦しめその筋骨を労せしむ。 読んで良かったが、孟子の抜粋というか、孟子の人となりを著者が伝えようとした書物。 孟子の全文が載っているわけではないので注意。 但し内容は面白かった。岩波かどっかの、全文が載ってる本を読んで読みたいと思いました。

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2012/11/08

目次: 序 説 第一章 孟子とその時代 第二章 道徳はつらぬかれるか 第三章 王道の悲願 第四章 民を貴しとなす 第五章 人の本性は善だ 第六章 聖人への道 第七章 理想主義の勝利 余 論 『孟子』七篇について あとがき 字句索引/人名・書名索引

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2011/05/21

[ 内容 ] 古来、孟子は孔子の思想をつぐ賢人として知られている。 本書は、在来の孟子解釈にこだわらず、戦国時代に生きた彼の姿を描きながら、「王道の道は民を保んずることにあり」という論旨をはじめとして、その思想のすべてを新たな観点からわかりやすく紹介する。 人道主義者としての孟子...

[ 内容 ] 古来、孟子は孔子の思想をつぐ賢人として知られている。 本書は、在来の孟子解釈にこだわらず、戦国時代に生きた彼の姿を描きながら、「王道の道は民を保んずることにあり」という論旨をはじめとして、その思想のすべてを新たな観点からわかりやすく紹介する。 人道主義者としての孟子の全貌を達意な筆で綴った労作である。 [ 目次 ] 第1章 孟子とその時代 第2章 道徳はつらぬかれるか 第3章 王道の悲願 第4章 民を貴しとなす 第5章 人の本性は善だ 第6章 聖人への道 第7章 理想主義の勝利 余論 『孟子』七篇について [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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