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アレルギーとたたかうイサベル の商品レビュー

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2010/09/30

良質のドキュメンタリー番組を観ている印象を受ける。日常生活が淡々と描かれる中で病気が時 折陰を見せる。シリーズのどの本でも子どもたちは明るく前向きであるが,そこには作者の優等生的ジャーナリストの姿が見えるときがある。その意味合いでは,「指で見る」の中での子どもたちへのインタビュー...

良質のドキュメンタリー番組を観ている印象を受ける。日常生活が淡々と描かれる中で病気が時 折陰を見せる。シリーズのどの本でも子どもたちは明るく前向きであるが,そこには作者の優等生的ジャーナリストの姿が見えるときがある。その意味合いでは,「指で見る」の中での子どもたちへのインタビューでは,ベリイマンが期待する答えを返さない子どもたちが秀逸。スウェーデンの話であり,そのまま日本に当てはめることはできないが,例えば筋ジストロフィーの子どもがいる家庭はどういう日常生活になるのか多少窺い知ることができる。もっとも本シリーズ全体にいえることであるが,病気の部分は病気の部分としてとらえても他の所は,病気にかかっていない子どもと変わらないことを読み取れさえすれば良いのかなと思える。なお原題がスウェー デン語なので正確には分からないが,「〇〇とたたかう」とするより「〇〇とともにいきる」の方がぴったりとくるのだが,それは本書の書かれた時代の風潮というものだろうか(岡田)

Posted byブクログ