評伝 徳富蘇峰 の商品レビュー
徳富蘇峰は、日本が欧米列強に対抗できる国になるためにはどうすればよいかを、自由民権期から敗戦後まで考え続けた。時に自由主義・民主主義を説き、時に帝国主義・膨張主義あるいは反人種主義を説くのは、その時々の情勢を見て日本が生き残る道を考えてのことである。が、それらは、いつも人々を扇動...
徳富蘇峰は、日本が欧米列強に対抗できる国になるためにはどうすればよいかを、自由民権期から敗戦後まで考え続けた。時に自由主義・民主主義を説き、時に帝国主義・膨張主義あるいは反人種主義を説くのは、その時々の情勢を見て日本が生き残る道を考えてのことである。が、それらは、いつも人々を扇動しやすい二項対立的図式で描かれていた。徳富蘇峰ははじめからおわりまでナショナリストであり、三国干渉を境に「転向」したわけではない。そのようなことがわかった。
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