悔恨の世紀から希望の世紀へ の商品レビュー

岡崎久彦(著者)

2013/01/12

(1996.10.23読了)(1994.08.20購入)
（「MARC」データベースより）
21世紀において、新しい文化が生まれるという兆候も保証も、まだ、何もない。しかし私は生まれると思っている…。19世紀以来の世界史の包括的整理を踏まえて、21世紀の世界を大きく展望した雄大な論文。

☆岡崎久彦さんの本(既読)
「国家と情報」岡崎久彦著、文春文庫、1984.08.25
「情報･戦略論ノート」岡崎久彦著、PHP文庫、1988.05.16
「情報･戦略論ノート Part2」岡崎久彦著、PHP研究所、1990.02.02
「繁栄と衰退と」岡崎久彦著、文芸春秋、1991.06.30
「新しいアジアへの大戦略」岡崎久彦著、読売新聞社、1993.06.03
「クーデターの政治学」岡崎久彦・藤井昭彦著、中公新書、1993.09.25
「国際情勢の見方」岡崎久彦著、新潮社、1994.03.15
「国際情勢判断」岡崎久彦著、PHP研究所、1996.02.08

2010/07/19

自分はいかなる価値もない人間だというようなことをいつまでも肩をそびやかして言っていて何の意味があるのだ。
20世紀は文化の面では、我々の世代の教養となるようなものはほとんど与えてくれなかった。わずかに与えてくれたものは生きる情熱を与えるようなものでもなく、精神に豊かさや安らぎを与えるようなものでもなかった。それならば何を与えてくれただろうか。一言で言えば、人類の政治、社会、経済、軍事における凄まじいばかりの激変。もっと具体的に言えば荒れ狂った戦争、革命、大不況。
共産党は人を殺しすぎた。ロシアも中国もカンボジアも。社会主義革命の失敗はロシアにおいてはもはや確定した歴史観、教訓となっている。
世界的にも、レーガン、サッチャー、中曽根に代表される1980年代は確かに潮の変わり目であった。
20世紀における科学と技術の発達はまさに驚嘆すべきものがある。20世紀における文学、芸術の不毛、政治面における数々の恐るべき愚行、これと比べると自然科学は偉大な世紀である19世紀の業績をそのまま直線的に引き継いだ。