白い航跡(上) の商品レビュー

吉村昭(著者)

東京慈恵会医科大学。…

[文庫ＯＦＦ]

東京慈恵会医科大学。最近、不祥事で世間をにぎわしている。わが国の学籍上初の医学博士を鴎外森林太郎などと受けた、海軍軍医・高木兼寛が創設した大学である。 　当時、亜流であったイギリスに留学し、看護婦の重要性に早く気づいた高木は、わが国初の看護学校も併設した。学問における業績も顕著で、高木によるビタミンの発見は医学史上、特筆に価する。 　高木をして最も有名ならしめた逸話は、脚気についての森との論争であろう。結論をいうと、鴎外の見識は誤りであり、高木の解析が正しく、脚気は栄養不足が原因によるもの

2015/06/25

旧薩摩藩医師高木兼寛の伝記小説。
吉村昭氏の細やかな調査に裏付けられたストーリー展開は引きつけられる。

2015/03/12

医学を軸に紐解く歴史の舞台裏。国籍を問わずにひたすらよより良い医学を目指し切磋琢磨する医師たち。その弛まぬ努力の姿勢には身が改まる。

2013/12/31

日本医学の発展に寄与した高木兼寛という人の物語。明治の時代に英語を自在に操られるようになるまで勉学に励み、単身海外留学して医学の追求に励んだこの素晴らしい人を見ていると、自分のクズさ加減にはまったく吐き気がしてきます！と言いつつ結局なにもしないんだから、つくづく人間とは弱い生き物ですよね(^^)/

2011/02/11

幕末維新の偉人で、今まで認識が無かった薩摩藩士高木兼寛の歴史小説。
イギリスの医学学校で優秀な成績をおさめ、日本に戻り、東京慈恵医大の産みの親となる。脚気の原因を突き止めたが、その成果が認められたのは、死後。
幕末維新の優秀な人物には、現代では考え得ない程の、”強さ”を感じる。
（単なる秀才ではない、ということ）