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さらわれた王子さまと庭師の娘 の商品レビュー

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2012/09/26
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※このレビューにはネタバレを含みます

アリーテ姫的な、ジェンダーに配慮した物語。 あんまり面白くなかったのは、(一応女子の物語にしようとしてはいるものの)ただの反転に見えるから。 人の助言をきちんと素直に聞き入れる「娘さん」な気質が「女子」の部分。 勝手に助けようと決めて努力で能力を手に入れて完璧になるスーパーウーマンっぷりは時代性か。 でも、努力で男と同じ力を手に入れても、男至上主義の文脈を強化する罠にはまってしまう。 「男らしい力」ではなく「女子の戦い方」を描こうとしてはいるのだけれど、勝手に助けに行って、仲良く幸せにくらしていた大女と王子さまをひきはなして、ママンに甘やかされたい王子さまに勝手に幻滅して捨ててしまう身勝手さはとても「男らしい」。 そんなの目指してどうするの。 目指したい地点がはるかに遠すぎて見えない時代だったってことなんだろうか。

Posted byブクログ